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  今月の旅情報 平成28年10月下旬号  
富士山周辺、日帰り鉄道旅  山梨県/富士河口湖町ほか

ビュー特急の外観は周辺の緑や空の青、富士山のほか自然の色に映える、“さび朱色”を基調したモダンなメタリック塗装
 世界遺産登録後、さらに国内外から多くの観光客が訪れるようになった富士山。富士急行(株)創立90周年の今年、山梨県側の大月駅と “富士山の玄関口”河口湖駅を約45分で結ぶ新型特急「富士山ビュー特急」が運行を開始。新宿駅からならJR特急と連動し2時間足らずで富士山の麓に到着できる。首都圏から日帰りでより気軽に、より快適に楽しめるようになった富士山の周辺スポットを紹介する。 


「スイーツプラン設定列車」で提供されるスイーツ(山梨ぶどうのレーズンサンド、特製フルーツサンド、極上抹茶プリン、富士山がモチーフの“フジヤマモンブラン”)。3日前までに予約(富士急トラベル Tel.0555・22・8877)が必要(季節でメニュー変更も)
富士山ビュー特急
 富士山ビュー特急が結ぶ大月駅〜河口湖駅間の標高差は約500メートル。富士登山電車と同じ路線を走る最新特急だ。その内装は富士山の自然に調和する、木の温かみを生かした居心地のよい意匠となっている。大きく開かれた車窓も木枠で覆われている。富士山が映る窓を絵とすれば、木枠は額縁。景色を一幅の絵として楽しめる演出だ。

 ビュー特急は特別車両(指定席)の1号車と自由席の2・3号車で編成。特別車両の内装はホテルやレストランのように机、椅子が配置されており、乗車人数は26席のみ。雄大な富士山を望みながら、ウェルカムドリンクや車内販売の軽食を楽しみ、ゆったりくつろげる。

 また土日祝日には、一部の特別車両は富士急グループの「ハイランドリゾートホテル&スパ」のパティシエが手掛けたスイーツを提供する「スイーツプラン設定列車」として運行。女性に人気だ。
 平日2往復、土日祝日3往復で運行。大月駅〜河口湖駅間の乗車料金は1号車(特別車両)2440円(スイーツプラン設定列車の場合4000円)、2・3号車1540円。1号車は要予約。富士急コールセンター Tel.0555・73・8181



からくり屋敷ほか、忍者体験アトラクションは大人も童心に帰って楽しめる。各アトラクション利用料金は大人500円
忍野 しのびの里
 富士山ビュー特急の富士山駅からバスで約20分。忍野八海の近くに昨年秋オープンし、外国人や家族連れに人気を博しているのが忍者テーマビレッジ「忍野 しのびの里」(忍野村)だ。

 忍者衣装に着替え(レンタル料500円)、からくり屋敷や手裏剣道場などのアトラクション施設で忍者になりきって楽しめる。

 支配人の渡辺輝(ひかる)さん(33)は、「忍者五大食(大豆食品、イカ食品、ウズラの卵、ハトムギ、松の実)を使ったメニューのほか、忍野の名水と富士山麓の食材を生かした『食事処』も人気です」と語る。一番人気は「忍び黒カレー 鵜玉隠れの術」(1350円)とのこと。
 年中無休。営業時間午前9時〜午後5時。入園料(アトラクション1回利用券付き)大人800円。Tel.0555・84・1122



ライトアップされた氷柱(取材時)
富岳風穴
 終点の河口湖駅から路線バスで約30分。国の天然記念物「富岳風穴」(富士河口湖町)は、約1150年前の富士山側火山による「貞観大噴火」で、青木ケ原樹海と共にできた溶岩洞窟。約1000メートルという標高と、天井から染み出る富士の地下水により、真夏でも洞窟内は0度〜3度と冷ややか。

 そのためほぼ1年中、3〜4メートルもの巨大な天然氷柱(つらら)を見られるスポットが存在。幻想的にライトアップされ、神秘的な氷の世界を体感できる。

 だが今年は「猛暑や、頻繁な台風到来による雨水の流れ込みで、氷柱が溶けてしまいました。例年にないことです。氷柱が形成されるのは12月中旬になると思います」とはフォレスト・アテンダントの貫井雅弥(みやび)さん(26)。

 総延長約200メートル。横幅も広くなだらかな洞窟で、近くにある「鳴沢氷穴」よりも急峻(しゅん)な場所が少なく、15分もあれば奥まで見ることができる。富士山の大自然を間近に体感できるスポットだ。
 年中無休。営業時間午前9時〜午後5時半(季節により変更も)。入洞料350円。富士観光興業(株)Tel.0555・85・3089


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