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「えひめいやしの南予博2016」開催 愛媛県/南予地方 |
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タイの刺し身をあつあつのご飯に乗せ、卵の黄味を使ったタレ汁をかけて食べる油屋の「鯛飯定食」 |
宇和海の美しいリアス式海岸や肱(ひじ)川などの清流、一方でどこか懐かしい町並みや趣ある城下町—。そんな豊かな自然や歴史文化に彩られている愛媛県南西部の南予(なんよ)。同地域では11月20日(日)まで「えひめいやしの南予博2016」(南予博)が開催中だ。上質な食と旅がテーマの「南予プレミアムダイニング」など、会期中約300の多彩なイベントが各地で行われている。このほど南予で、その魅力あるイベントを体感してきた。
大洲で「鯛飯」
かつて伊予の国と呼ばれていた愛媛県。東予、中予、南予の3つの県内エリアのうち、山地が多く平野部が少ないのが南予だ。南予では独自の文化が今も受け継がれている。
鎌倉時代末期から長い間、南予の中心地として栄えた大洲(おおず)。戦争中も空襲の被害がなく、今もその歴史や文化を町の随所に感じることができる。
その一つが、幕末から続く旅館に使用されていた建具を生かした料理店「大洲炉端 油屋」(Tel.0893・23・9860)。老舗旅館として司馬 遼太郎の「街道をゆく」にも登場する。2階からは、4層4階の天守閣が特徴の大洲城が見え、風情がある。
同店の名物が「南予の鯛飯(たいめし)定食」。鯛のあっさりした白身とやや甘みのあるタレ汁が口中で混ざり合って味覚を刺激する。また豚ばら肉とクリを一緒にご飯に乗せ
た「とんくりまぶし」は、どんぶり飯と特製だし汁を入れた“茶漬け”で2度おいしい。
障子を開けると肱川が眼下に見える臥龍山荘・不老庵 |
美の空間「臥龍山荘」
かつて南予では化粧品の原料などに使われた木蝋(もくろう)が各地で盛んに生産され、海外にも輸出された。明治期、この木蝋貿易で財をなした大洲出身の河内寅次郎が、その富をつぎ込んで築いたのが「臥龍山荘」だ。肱川河畔の景勝地に京都・桂離宮などを参考に建てられた。自然の景観を巧みに取り入れた河岸庭園、コウモリ型引き手や欄間の透かし彫りなど、ぜいを尽くした名建築の臥龍院、不老庵—。日本建築の粋と卓越した美を感じる空間だ。
■町歩きイベント■
そのほか見どころの多い大洲では、11月13日(日)まで町歩きイベント、「おおず歴史華回廊」を開催中。 |
プレミアムダイニングでは、芝生の上で生演奏を聞きながらスマなどの高級感ある料理を堪能。料金は1人1万円=愛南町で |
食材厳選「プレミアムダイニング」
南予の食・食文化の魅力を全国に発信しようという狙いで、南予博開催エリアの各市町で期間中に計10回開催しているのが、「南予プレミアムダイニング」だ。
今回、愛南町で“音楽と食材のワルツ”を体験。スマ、ヒオウギ貝、媛っこ地鶏など愛南の魚介類や肉、野菜を使った創作洋食料理約15種類が宇和海に隣接された公園(屋外)特設会場にビュッフェ方式で並んだ。すべての料理を考案したシェフの牛川雄一さん(35)は「素材の味が感じられるように調理法を工夫しました。メニューを考えるのに半年かかりました」と話す。
新鮮な旬の食材を使い、演出などにこだわった特別な会場で、一夜限りのディナーが楽しめる「南予プレミアムダイニング」。今後、10月1日(土)に八幡浜市、10月23日(日)に西予市で開催を予定している。全席予約制。 |
江戸後期から明治期にかけて木蝋生産で栄えた内子町の町並み |
その他のおすすめイベント
■内子町町並み散策■
明治時代にタイムスリップしたかのような内子町。その町並みをボランティアガイドと一緒に散策する「内子町町並み散策」。内子手しごとの会が作った「輪ゴム鉄砲」体験や内子夢ワイン試飲も。
■キャニオニング体験■
起伏に富んだ自然を体感できるのが滑床渓谷(松野町)でのキャニオニング体験。ウエットスーツを着ての川床滑りはスリル満点。
■美味いよ(伊予)BBQ体験■
特産品のアマゴ、ニジマスをプレート状のクヌギや桜の上で焼く「美味いよ(伊予)BBQ体験〜松野町コース」は開放的で楽しい。 |
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【南予博の問い合わせ】
南予博実行委員会事務局 Tel.0895・22・5211 |
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