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ウェルカニキャンペーン対象の宿では松葉ガニをメーンにした料理が並ぶ (鳥取温泉の「観水庭 こぜにや」) |
刺し身よし、焼いてよし、あるいは蒸しても、ゆでてもおいしいカニ。その中でも「王様」と称される松葉ガニ(ズワイガニの雄)が今、食べ頃を迎えている。そのカニ類の水揚げ量が年間約1万トンと全国一を誇るのが鳥取県。県内の境港(さかいみなと)、賀露(かろ)、網代などの漁港では連日、カニの水揚げで活気づいている。旬のカニを味わいつつ、温泉や歴史ある街並みが多い鳥取を回ってきた。
トップブランド「五輝星」誕生
鳥取市・賀露(鳥取)港。そこからすぐの鮮魚市場「かろいち」を訪ねると、その日とれたばかりの松葉ガニがずらりと並んでいる。販売している60代の女性は「今シーズンはやや不漁かな」と言うが、いけすには多くの生きた松葉ガニが手足を動かしていた。
2015年秋の漁期から誕生した松葉ガニのトップブランド「五輝星(いつきぼし)」。初値が1匹70万円を付けて話題になった。その名は、甲羅の全長13.5センチ以上、重さ1.2キロ以上など5つの基準を全て満たす松葉ガニにのみ許される。「五輝星」は松葉ガニ全体の1.5%程度しかとれないというほど希少だ。ちなみにこの日の市場では、1匹7万5000円の値札が付けられていた。
1万円分のカニを4980円でサービスしているという松葉ガニ丼。1日3食〜5食限定 |
ウェルカニキャンペーン
鳥取県では2月29日(月)まで「ウェルカニキャンペーン」を実施中だ。
期間内に対象の旅館・ホテルに宿泊し、「宿泊証明印」を押したはがきで応募すると抽選で毎月100人に“旬のカニ”が当たるというものだ。応募の締め切りは3月4日(金)必着。
問い合わせは(公社)鳥取県観光連盟 Tel.0857・39・2111
鶴・亀・鯉(コイ)・松竹梅・巾着などがかたどられた鏝絵 |
琴浦町の鏝絵
鳥取県のほぼ中央に位置し、農業、漁業や商工業で発展してきた琴浦町。その豊かさが生んだ芸術の数々が今も町の中に残されている。
その一つが江戸末期から昭和に庶民の建築文化として流行していた鏝絵(こてえ)。左官職人が漆喰(しっくい)壁に浮き彫りを施した装飾のことだ。同町光(ひかり)地区には、昭和30年ごろの鏝絵が各家の蔵に取り付けられている。光地区のように鏝絵が密集している地域は全国でも珍しい。
ただ、鏝絵は各個人の蔵に施されているので、琴浦町観光協会(Tel.0858・55・7811)に事前連絡しガイドしてもらう方がよい。
また、同町赤碕にある「塩谷定好写真記念館」(Tel.0858・55・0120)もおすすめだ。日本の芸術写真の草分け的存在だった塩谷定好が、山陰地方の自然や人々を撮った作品を展示。まるで絵画のような作品が印象的だ。回船問屋の生家を利用した同記念館には、作品に加えて撮影機材などの品々も展示されている。
智頭町の石谷家住宅
江戸時代に参勤交代で大名行列が通った因幡街道。智頭町(ちづちょう)の智頭宿旧本陣近くにあるのは国指定重要文化財「石谷家住宅」だ。敷地面積3000坪の広大な敷地の中に大正8年から10年の歳月をかけて改築した40の部屋と7棟の蔵を持つ同住宅は、松やケヤキなどの木材をぜいたくに用いた造り。また、広大な池泉式日本庭園も美しい。
智頭町観光協会 Tel.0858・76・1111 |
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