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総合レジャーリゾート「スタジオ・シティ」オープン 中国/マカオ |
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中央の8字型観覧車「ゴールデン・リール」に乗ると、マカオ市内や中国・珠海市の景色が一望できる |
“東洋のラスベガス”とうたわれ、カジノの街として知られる中国・マカオ。一方で、旧ポルトガル領時代に建設された教会や街並みといった歴史遺産に彩られている。そんな観光都市に10月末、ハリウッド映画をテーマとした総合レジャーリゾート「スタジオ・シティ」がオープンした。今後、カジノを中核にしながらも、家族で楽しめるエンターテインメントの街としての魅力を高めていこうとしているマカオ。その布石となる「スタジオ・シティ」を訪ねた。
テーマは「ハリウッド映画」、観光の新拠点に
マカオは香港のほぼ対岸に位置し、片道約50分のフェリーでお互いが結ばれている。今は共に行政権が中国に返還されたが、英国の植民地だった香港に対しマカオはポルトガルの植民地で、街の個性には違いがある。
聖ポール天主堂跡、セナド広場などの建物や広場、そしてエッグタルトなどの食べ物—。ポルトガルの文化が色濃く残るマカオは、中国で認められた唯一のカジノの街でもある。
しかし、将来のマカオの発展を考えるとカジノ以外の観光の柱を育てることが課題。そこで、大人も子どもも楽しめる総合レジャーリゾートいうコンセプトで建設されたのが「スタジオ・シティ」だ。場所は、高級ホテル、カジノ、リゾート施設が集中するコタイ地区の中心地。地上130メートルのアールデコ調のツイン・タワーと、その真ん中に置かれた世界一の高さを誇る8字型観覧車「ゴールデン・リール」が話題を呼んでいる。
国際色豊かな料理が食べられる「スタジオ・シティ」。鶏肉を使った中国料理も人気だ |
同シティ最大の特徴は、多様性に富んだエンターテインメント。ハリウッド映画に着想を得て開発されたのが、世界初の4Dフライト・シミュレーション・ライド「バットマン・ダークフライト」だ。乗客が街を飛び回るバットマンを追い掛けて、スリリングな飛行の旅を体験できる。
また子どもと一緒に家族で楽しめる「ワーナー・ブラザーズ・ファン・ゾーン」は屋内型プレーセンター。ワーナー・ブラザーズが所有するキャラクター「トムとジェリー」や「バッグス・バニー」などをデザインした乗り物や対話型アトラクションで遊べる。さらに、「ハウス・オブ・マジック」では、世界でも一流のマジシャンによるマジックショーが楽しめる。
このほかカジノはもちろん、ナイトクラブや著名シェフの多彩な料理、世界一流のデザイナーズブランドショッピングも。
この「スタジオ・シティ」を約32億米ドルかけて建設したメルコ・クラウン・エンターテインメントのローレンス・ホー共同会長兼CEO(最高経営責任者)は、「今まで世界に類を見ないアトラクションを開発した」と胸を張る。
ただ、アジアには、日本の東京ディズニーランド(TDL)やディズニーシー、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどのライバルもある。「われわれはハリウッドスタイルの統合型リゾート(ホテルやレストラン、アミューズメント施設、カジノなどが一体となった複合観光集客施設)。これがTDLなどと差別化できるポイント」とホーさんは話す。 |
左からレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ監督 |
プロモーション映画
「スタジオ・シティ」のプロモーション映画はマーティン・スコセッシ監督作品の「The Audition」。出演したレオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロ、それにスコセッシがグランド・オープニング・セレモニーに出席した。 |
聖ポール天主堂跡 |
建物や街並み見物
マカオには約460年前からポルトガル人が居留したため、今も歴史的、西洋的な建造物が数多く残る。このうちセナド広場や聖ポール天主堂跡など8つの広場と22の建造物が2005年に「マカオ歴史市街地区」として世界遺産に登録された。
中でも有名なのが、17世紀初頭、イタリア人宣教師によって設計された聖ポール天主堂跡。1835年に火災に遭い、正面の壁の部分を残して建物全てが焼け落ちてしまった。それでも見事な彫刻が施された教会正面の壁(ファサード)は残っており、日本とも縁が深いフランシスコ・ザビエルなど4人の聖人像を見ることができる。 |
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【マカオ観光の問い合わせ】
マカオ観光局 Tel.03・5275・2537 |
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