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キモ、身、皮…今が旬のアンコウがたっぷり。豊かな味わいにお酒がすすむ |
本州最北端の村・青森県風間浦村(かざまうらむら)では現在、地元特産のアンコウ漁が盛んだ。風間浦産アンコウの特長は全国でも非常に珍しい生きたままの水揚げ。鮮度が落ちにくいため、味は抜群だ。このほど風間浦産アンコウのおいしさを家庭で味わってもらおうと、地元の水産加工会社「駒嶺商店」と、東京都内で唯一のアンコウ料理専門店「いせ源」がコラボレーション。青森県の新商品創出事業として「風間浦あんこう鍋セット」を製品化した。“最高の鮮度”と“老舗の味付け”。家庭でも専門店の絶品鍋が味わえるようになった。
最高の鮮度を保つ
冬から春にかけての味覚アンコウ。全国的にアンコウ漁は底引き網漁で行われることが多く、通常は死んだ状態で水揚げされる。しかし風間浦村では、刺し網漁などが主体で、しかも漁場が港から近いため、生きたまま水揚げすることができる。
駒嶺商店は、水揚げされた生きたアンコウを仕入れ、すぐに同社のいけすに移送。徹底した温度管理の下、アンコウのストレスを和らげるためしばらく休ませた後、「活締め」作業を行い、東京の「いせ源」に出荷する。「活締め」とは、生きたままアンコウの神経を絶ち、身などの鮮度を保つ処理のこと。活締めを行うことで、死後硬直を遅らせ、身の細胞も壊れないため、新鮮な状態のまま出荷することが可能になった。同社はさらに下処理として、腐敗の原因にもなる胃の内容物と腸の除去も行う。鮮度を保つ企業努力により、最近は首都圏の料亭などからも問い合わせが増えてきたという。
同社社長の駒嶺剛一さん(65)は「アンコウはいかつい見た目と異なりデリケートな魚。なるべくストレスをかけないように工夫しています。とにかくいいアンコウを食べてもらいたいという気持ちで仕事をしています。これからも鮮度の良さにこだわっていきたい」と話している。
グロテスクな外見に似合わず、食べると美味。「西のフグ、東のアンコウ」といわれ珍重されるが、その生態は謎が多いという。写真は活締めの様子 |
“七つ道具”の食感
「捨てるところがない」といわれるアンコウ。キモや身、皮など、料理に使う各部位は“七つ道具”と呼ばれバラエティーに富んだ味と食感が楽しめる。また、身は低カロリー・高タンパク、皮にはコラーゲン、キモにはDHAやEPAが豊富に含まれるなど栄養的にも申し分ない。
江戸時代、天保元年創業の「いせ源」(東京都千代田区)は、都内で唯一のアンコウ料理専門店。「いせ源」7代目当主の立川博之さん(32)はアンコウの魅力について話す。「アンコウといえばキモがクローズアップされますが、それだけではありません。鮮度がいいアンコウは皆さまが思っているより驚くほどおいしいです。2月〜4月が一番おいしい時季。滋味あふれるアンコウを味わってほしい」
絶品「鍋セット」発売
風間浦あんこう鍋セット |
駒嶺商店といせ源がコラボした「風間浦あんこう鍋セット」は、専門店の味を家庭で楽しめるようこだわった一品だ。アンコウの新鮮さはもちろん、シイタケや葉物など付属の野菜も鍋に合うよう厳選。アンコウの身は骨を丁寧に取り除いてあるため、お年寄りや子どもも食べやすい。そして何より味の決め手は、いせ源秘伝の割り下。しょうゆベースの独特の味が野菜やアンコウのうま味と絡み合う。
「一級品の風間浦アンコウを使って、いせ源の味を再現したセットです。ほかの食材を追加せずに、できればこのセットの食材だけで味わってみてほしい」と立川さん。 |
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「いせ源謹製 風間浦あんこう鍋セット」(3〜4人前)
贈答用に便利な木箱包装版2万円(送料込み)。問い合わせ・購入は 駒嶺商店 Tel.0175・35・2211
【記者の一言】
アンコウの身の淡泊さを、少し濃いめの割り下が補って絶妙の味わい。思わず「おいしい」と口に出た。少々値が張るものの、納得の味だった。また、シメは必ず「おじや」にすること。鍋のうま味が濃縮した絶品だ。 |
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