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春の御船山楽園では、桜、ツツジ、藤が重なり合うように咲く |
三が日のにぎわいも落ち着き、春の旅行計画を立てたくなる頃。ことしは、九州は佐賀県武雄市の15万坪の庭園、御船山(みふねやま)楽園で、桜やツツジ、藤を堪能してみませんか? ツツジが盛りのゴールデンウイーク(GW)には、隣町の有田町で陶器市も開催。来年、「有田焼創業400年」を迎える。
春は桜、ツツジ、藤
武雄市は佐賀市と長崎県佐世保市の中間に位置し、開湯1300年の武雄温泉が町の中心に湧き出ている。
江戸時代後期の1845年、この地の第28代領主であった鍋島茂義公が15万坪の広大な敷地の中に創設した回遊式庭園が、御船山楽園だ。3月下旬から5月上旬にかけて、ソメイヨシノ、八重桜、久留米つつじ、霧島つつじ、170年前の開園当時に植えられた白と紫の大藤が、春のリレーを繰り広げる。
「茂義公は、狩野派の絵師でもありました。草木や山水を得意として、庭の設計図も京都から招いた絵師に描かせ、九州にない植物はわざわざ取り寄せ、3年をかけて造園したということです」と、御船山観光ホテルの川久保清支配人は歴史をひもとく。
昭和に入り、そびえたつ210メートルの御船山のふもと一面に20万株のツツジが植えられた。鮮やかなピンクや赤のかたまりが、山の裾一面を埋め尽くすさまは、まさに“楽園”。「朝は特に野鳥のさえずりもにぎやかで、それでいて人も少なく静けさもありますので、散策には最適です」(川久保さん)
入園料400円(時季によって変動あり)。Tel.0954・23・3131
◆市内観光の問い合わせは武雄市観光課 Tel.0954・23・9237 |
温厚な人柄で愛された十四代酒井田柿右衛門。写真提供:柿右衛門窯 |
柿右衛門窯や源右衛門窯
武雄市の隣、有田町ではGWに全国でも最大級の陶器市が開催され、大いににぎわう。だが、普段は静かでのんびりとした窯元の町だ。
有田焼の主要窯の中でも、1、2を争う人気を誇るのが柿右衛門だ。おととし6月、人間国宝だった十四代が鬼籍に入り、現在は子息が十五代として窯元を守っている。
JR九州の高級クルーズトレイン「ななつ星in九州」に設置された洗面鉢の制作の際には、闘病中だった十四代が情熱を注ぎ、客室ごとに異なる作品を作り上げた。人を驚かせ、また喜ばせることがとても好きな十四代らしいエピソードだ。
工房では、熟練の陶工が分業で器を作る |
有田には約150軒の窯元がある。その中でも柿右衛門窯、今右衛門窯と並んで有田を代表する窯元の一つである源右衛門窯では、窯を公開しており、見学ができる(日・祝は不可)。ろくろを回し、下絵をつける熟練の陶工の表情は、真剣そのもの。見ているこちらの身も引き締まる。足を延ばしてみよう。
また、ぜひ訪れたいのが佐賀県立九州陶磁文化館だ。入館無料とは思えない充実度で、特に江戸時代初期から幕末までの有田磁器が1万点以上そろった「柴田夫妻コレクション」は必見だ。
◆問い合わせ・ガイドの申し込みは有田観光協会 Tel.0955・43・2121 |
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武雄産のイノシシのひき肉が入ったミートソースはホテル自慢の一品 |
横浜ベイホテル東急「こだわり食材 佐賀」
佐賀には、佐賀牛、呼子のイカ、みつせ鶏などの一級食材と、とんこつベースのスープに山盛りの野菜を乗せた北方ちゃんぽんといったご当地グルメが勢ぞろいする。
横浜ベイホテル東急では、13日(火)〜3月1日(日)、カフェトスカで「ナイト・キッチンスタジアム こだわり食材 佐賀」が開催される(ディナータイムのみ)。武雄産の臭みが少なくやわらかなイノシシ肉をぜいたくに使った「“やまんくじら”猪の挽き肉入りミートソースとパルミジャーノ・レッジャーノで和えたパスタ」や「有明の海の恵み“フィッシャーマンスタイル”スープ」など、県内の食材を使ったオリジナルメニューを多数提供する。
5346円〜。問い合わせは Tel.045・682・2218 |
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