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北陸の美味と技…来春、北陸新幹線が開業 富山県・石川県・福井県 |
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ますの寿しは、完成してから半日ほどおいてから食べた方がおいしい |
2015年春に北陸新幹線が開業(長野─金沢間)し、東京から富山、金沢(石川)まで開通する。所要時間が大幅に短縮し、北陸の旅が身近になる。「新幹線開通を前に北陸の魅力を体験しよう」とこのほど、富山〜高岡〜金沢、その先の福井に足を延ばした。
「ますの寿し」作り
富山の名物として知られる「ますの寿し」。1717(享保2)年に富山藩士の吉村新八が、富山藩3代藩主前田利興に献じたのが始まりという。その後、8代将軍徳川吉宗に献上して激賞され、以後、毎年、富山藩から献上されて名物になったと伝えられる。
その伝統の寿し作り体験を行っているのが創業40年の名店として知られる「味の笹義」。同店を訪ね、ますの寿し作りを体験した。 ますの寿しの作り方は、(1)木製わっぱの底に放射状に笹(ささ)を敷く(2)塩漬け後に味付けをしたますの切り身をその上に並べる(3)その上に酢飯を押しながら詰め、笹を折り曲げて包み込む(4)最後に、その上から重しをして仕上げる—というもの。
すでに目の前には、“ますの寿し作りキット”とでもいうべき笹やわっぱ、それに薄い桜色をしたますの切り身などが並べられている。職人さんの指導により、それらの“キット”を用いて無事、完成させた。
ますの寿しは、作ってからすぐには食べずに、半日程度寝かせた後が食べごろだ。 |
【ますの寿し作り体験】
「味の笹義」では、ますの寿し作り体験を実施中。ますの寿し作り体験後、江戸時代から続く富山の薬、越中反魂丹で有名な「池田屋安兵衛商店」オリジナルブレンドの野草茶でひと休み。所要時間は約40分。定員20人。前日午後4時までに予約が必要。Tel.076・482・6759 |
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富山湾の恵み堪能
高岡市の東隣の射水市。「新湊きっときと市場」(Tel.0766・84・1233)では、新湊の新鮮な魚が味わえる。市場には、鮮魚の加工品や地元名産品、それに旬の海鮮物を楽しめるレストランなどが並んでいる。夏は深海に生息する食用の巻き貝のバイ貝がおいしい。こりこりとした食感と香りが魅力。食べ方は刺し身がおすすめ。また、イワガキも夏の味覚として忘れてならない絶品だ。
百万石の面影 茶屋街を歩く
加賀百万石の歴史を誇る街・金沢。伝統工芸や伝統芸能、食文化が発達してきたが、その中で金沢の中心部に点在していたお茶屋を集めたのが、ひがし茶屋街(重要伝統的建造物群保存地区)と呼ばれる古い町並みだ。キムスコ(木虫籠)と呼ばれる美しい出格子が昔の面影をとどめる。
卯立(うだつ)の工芸館では、伝統工芸士が古来の用具と手法、原料で和紙作りを行っている |
和紙の歴史と紙すき体験
福井・越前市では和紙を知り、学ぶことのできる「和紙の里」めぐりがおすすめ。約100メートル間隔で各施設が並び、紙すき体験や博物館見学などができる。
730(天平2)年の正倉院文書に示される越前和紙。その発祥や歴史、和紙を取り巻く人々の営みを知ることができるのが「越前和紙の里 紙の文化博物館」だ。越前和紙でできた福井藩の藩札や明治政府の紙幣、太政官金札などの展示が興味深い。また、別棟には縦4.3メートル、横7.1メートル、重さ約8.1キロの世界最大の手すき和紙「平成大紙」が展示されている。入館料200円(「卯立の工芸館」と共通)。毎週火曜日休館。Tel.0778・42・0016
また、「卯立の工芸館」(国登録有形文化財)は1748(寛延元)年に建てられた紙すき家屋を移築し、再現した。ここでは伝統工芸士が古来の用具と手法、原料で行う和紙作りの様子を見学できる。Tel.0778・43・7800
一方、和紙の代表的な原料「楮(こうぞ)」を使って自分だけのオリジナル和紙作りができるのがパピルス館。紙すき体験約30分、色紙500円から。入館無料。Tel.0778・42・1363
「できたて豆腐」が付いたメニュー |
永平寺禅どうふ
福井では、永平寺禅どうふを食したい。「永平寺禅どうふの郷 幸家(さちや)」(Tel.0776・63・1167)では雪国の良質な地下水を使った豆腐作りを行っている。「できたて豆腐」が付いた各メニューがある。 |
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