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函館ハリストス正教会 |
公益社団法人北海道観光振興機構は2014年2月まで、冬の北海道観光キャンペーン「美味旬旅 冬の北海道」を展開中。道内32エリア107施設で、北海道の旬の美味が楽しめる特別宿泊プランを提供している。今回はそんな冬の味覚、地元の旬を求め、道南地方の函館、松前へ。異国情緒漂う街並みや新鮮なマグロ、エゾアワビなど歴史とグルメを満喫した。
石畳の坂や美しい教会群
1859(安政6)年、横浜、長崎とともに国際貿易港として開港した函館。異国の文化が入り混じりながら発展し、現在も西洋風の歴史的建築物が点在する。特に元町地区には教会や洋館、和洋折衷の住宅が多く、石畳の坂道やそこから眺める港の風景と相まって観光客に人気だ。
「チャチャ登り」「二十間坂」など名前の付いた坂が約20。同地区に坂が多いのは度重なる大火から逃れるため、人々が山側に移り住んだためだという。それぞれの坂に坂名の由来と位置関係を記した標識が立っていて、坂巡りを気軽に楽しめる。
函館港を見下ろす八幡坂はテレビ撮影などでよく使われる石畳の坂道。「日本の道百選」に選ばれた大三坂には教会が立ち並び、その鐘の音色から「ガンガン寺」の名で親しまれる函館ハリストス正教会(国指定重要文化財)も近い。江戸時代、「御殿坂」と呼ばれた基坂の正面にたたずむのは旧函館区公会堂(国重文)。1910(明治43)年完成の木造2階建ての擬洋風建築物。館長の大西正光さん(64)は「1907(明治40)年の大火で焼失した町会所に代わる施設として、実業家・相馬哲平さんからの多額の寄付をもとに地元の職人の手で建てられました」。現在はコンサートホールとして市民に親しまれている。入館料は一般300円。 |
函館山からの夜景。両側を闇の海に挟まれ、陸地でまばたく光が“くびれ”を演出 |
函館山から一望、港の夜景
路面電車や坂道のノスタルジーに加え、光がともる街、函館には夜が似合う。125人乗りのゴンドラが山頂駅まで約3分で結ぶ「函館山ロープウェイ」(大人往復1160円)。標高334メートルの函館山から眺める函館の夜景は格別だ。ナポリ、香港に並び世界三大夜景と称されるだけあって、幻想的な光の世界が眼下に広がる。
一方、船着き場に沿って赤レンガ倉庫群が立ち並ぶベイエリアは、さまざまな店がそろうショッピングゾーン。毎年12月には「はこだてクリスマスファンタジー」が開催(25日まで)。倉庫群前の海上に、約5万個のイルミネーションで飾られた巨大クリスマスツリーが浮かび、冬の花火が夜空を華やかに彩る。
函館散策には、「函館まちあるきマップ」(JR函館駅舎内の観光案内所などで無料配布)が便利。また市電(1日乗車券600円)を使えば、函館の主な観光施設を回れる。
函館国際観光コンベンション協会 Tel.0138・27・3535
海峡が育んだ食材の宝庫
温泉旅館 矢野の「松前セレクトプラン」 |
函館駅からバスで約3時間。春には250種約1万本の桜で知られる城下町・松前の冬は、極寒の津軽海峡が育む食材の宝庫だ。
松前の老舗宿「温泉旅館 矢野」(Tel.0139・42・2525)では、「美味旬旅」期間中、「松前セレクトプラン」(夕食・朝食付き、1人1万5900円。3月20日まで)として、多彩な松前の味覚を提供している。
はえ縄漁で捕った松前の本マグロ、コリコリとした食感が味わえる松前産天然エゾアワビの刺し身は新鮮そのもの。「道南の食材にこだわっています。冬の景観と食を味わって」と同館若女将(おかみ)の杉本夏子さん(40)。やや甘みの強い道南の米「ふっくりんこ」を使ったおこわ、ホッケのちゃんちゃん焼きなど15品が堪能できる。
また、同宿では“幻のノリ”といわれる松前白神産の手摘み岩ノリを使った弁当「のりだんだん」も提供。松前特産のコンブとスルメイカを使った「松前漬」作りの体験も。 |
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