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  今月の旅情報 平成25年9月上旬号  
“仏街道”の仏像探訪  静岡県/伊豆半島

阿弥陀如来坐像と両脇侍像の三尊像=かんなみ仏の里美術館
実慶作の阿弥陀三尊
 富士山の世界文化遺産登録で話題の静岡県。でも、静岡の魅力はそれだけではない。内なる心に目を向ける定年世代におすすめしたいのは、伊豆の仏像たちだ。北条氏ゆかりの願成就院、北條寺(ともに伊豆の国市)、上原仏教美術館(下田市)など“伊豆仏街道”と呼ぶにふさわしい仏像がそろう。仏を見つめながら、自己を見つめる。そんな旅もいいかもしれない。


薬師如来坐像。その後方のケースには気迫に満ちた憤怒相の十二神将が立つ
 伊豆半島の付け根に位置する函南町。谷あいの静かな山里に寄り添うような方円屋根の建物が、昨年4月にオープンした「かんなみ仏の里美術館」だ。ここには、里の人たちが千年にわたって守り続けてきた仏像群24体が展示され、その中には実慶作の阿弥陀如来及両脇侍像の3体(国指定重要文化財)、平安中期の薬師如来坐像、十二神将立像(ともに県指定有形文化財)など、非常に貴重なものもあるという。

 まずは資料室で、地元桑原地区と仏像の関わりや仏像の特徴について説明を受けた。


鈴木勝彦さん
 「これらの仏像は、桑原の人々の最も身近な“村の仏”でした。ですから、明治時代の廃仏毀釈(きしゃく)の折にも、村人は仏像を別の寺へ移し、明治30年代後半になって廃仏毀釈が下火になったころ、“桑原薬師堂”を建てて仏像を戻したのです」と、同館館長の鈴木勝彦さん(72)が話す。「薬師如来坐像は60年に一度の御開帳を行う秘仏として、特に大切にされてきました」

 一方の阿弥陀如来三尊像は1984(昭和59)年、作者が鎌倉時代の仏師・実慶だと判明し、1992(平成4)年に国の重要文化財に指定され、“大出世”を果たした。

 仏像群が同町に寄付される2008(平成20)年まで、宗派の区別なく住民にあつく信心されてきた歴史がある。

北条氏の発願で造像?
 仏像造像の背景にも興味を引かれる。なぜ、この地に古い仏像があるのか。歴史をひもとけば、平安期の初めごろに創建された新光寺に行き着くという。

 「筥根山(はこねさん)縁起」によると、816(弘仁7)年、箱根神社を開いた万巻上人という高僧が嵯峨天皇の命で都へ上る途中で亡くなり、随行していた大勢の弟子たちが桑原に建てたのが新光寺の起こりと伝わる。薬師如来とその眷属・十二神将など、平安中期の作と見られる仏像は、同寺に関するものと推察されている。

 他方、阿弥陀如来坐像と両脇侍像は鎌倉初期の作とされる。新光寺はその後廃れたが、鎌倉時代の公的歴史書「吾妻鏡」には、源頼朝や北条時政によって再興されたと思われる記述がある。

 なぜ、北条氏なのか。その理由は、1180(治承4)年、頼朝の挙兵に従った時政の嫡男・宗時が石橋山の戦で平家に討たれ、その墳墓堂が桑原にあったからだ。「亡き息子を供養するために、北条氏が発願し、阿弥陀如来坐像が造像されたのではないかと。発注先は快慶や運慶を擁する“慶派”。実慶作の仏像で確認されているものは全国で4体のみ。当館の三尊像と修禅寺(伊豆市)にある大日如来坐像で、すべて伊豆半島にあります」。元教師の鈴木館長の言葉に引き込まれる。

 展示室はほの暗く静寂に包まれていた。ライトアップされた仏像群が語り掛けてくるような気配があった。


県内最古の薬師如来坐像
山津波…掘り起こされた仏像たち
 河津町谷津には今年2月に開館したばかりの「伊豆ならんだの里 河津平安の仏像展示館」がある。749(天平感宝元)年、行基によって開かれた那蘭陀寺(ならんだじ)という大寺院があり(のちに南禅寺として再建)、平安期に造られた仏像群があったとされる。1432(永享4)年、山津波によって七堂伽藍もろとも地中に埋まったが、村人たちが何世紀にもわたって土中から掘り出したのが、同館の仏像群。

 損傷の激しいものも多いが、「お顔が崩れていても、見る者の心の顔が映るようだという感想も頂いています」と、館長の板垣光彦さん(76)。県内最古の薬師如来坐像、東海地方最古の地蔵菩薩立像など、24体の平安仏を直に見ることができる。

【かんなみ仏の里美術館】
 観覧料300円。午前10時〜午後4時半、火曜日・年末年始休館。JR東海道本線函南駅から車で約5分。現在、土・日・祝日に鈴木館長やボランティアガイドが資料室で説明を行っている。平日の場合は事前予約を。
 問い合わせは TEL.055・948・9330
【河津平安の仏像展示館】
 観覧料300円。午前10時〜午後4時、水曜・年末年始休館。伊豆急行河津駅から徒歩25分(上り坂あり)。
 問い合わせは TEL.0558・34・0115

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