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ディープな街の魅力を…路地裏探偵団 青森県/弘前市 |
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万年筆の老舗専門店、平山萬年堂の姉妹店「久三郎」で。右は「弘前路地裏探偵団」団長の坂本崇さん |
弘前城や武家屋敷など城下町の面影と、明治・大正のハイカラな西洋建築が共存する青森県弘前市は、街全体がさまざまな時代を彩った「建築物ミュージアム」だ。起伏に富んだ地形を生かし、和と洋が混在する独特の街並みは散策におすすめ。ユニークな散歩企画も展開され、狭い路地やレトロな建物の谷間を練り歩けば、おいしい地元グルメに出合うことも。迷宮を探検するような気分で、弘前の魅力を探してみよう。
今回はディープな街の魅力に触れるため、「弘前路地裏探偵団」の案内で巡る「夕暮れ路地裏散歩」に参加した。2010年に市内の公務員や会社員、主婦らで結成された同探偵団。スカーフや帽子で変装した“迷探偵ガイド”とともに、弘前の夕べを歩く90分間の散策ツアーだ。
スナックやバーが密集する明治屋ゴールデン街 |
合言葉は、「ワイルドサイドを歩け!」。弘前市の中心商店街・土手町と、北大通りが交わる「まちなか情報センター」を出発点に、夕暮れ時の裏道を歩く。人情味あふれる食品市場があれば、女性に人気の雑貨店やスイーツ店…。緑地帯にたたずむ巨大犬オブジェ、怪しさ漂う明治屋ゴールデン街などガイドブックに載っていない名店や街角の裏話のほか、謎解き問題が出題され想像力をかき立てる。高校生のファーストキスのメッカだったという蓬莱橋の下をくぐり抜ければ、探偵団長の坂本崇さん(46)は、「これぞ土手町ジグザグ歩き」と笑う。
団員は、店内を抜け道に利用したり、建築物に冗談交じりの解説を加えたりと、変遷する街の歩みを楽しんでいる様子。そのまま行きつけの店や横丁に連れて行ってもらい、地酒を楽しむことも。 参加費1人1000円(記念品付き)。4〜10月の毎日午後5時半〜7時。3日前までに要予約。申し込みは TEL.0172・35・3131
「アンジェリック」のアップルパイ |
「りんごの街」美味探訪も
りんご生産量日本一(全国の約50%)の青森県の中でも圧倒的な生産量を誇る弘前。毎月5日は「りんごを食べる日」という条例があるほどで、市内各店舗では約50種類のアップルパイが販売されている。
地元でも人気の高いのが「アンジェリック弘前店」(火曜休業、TEL.0172・35・9894)のアップルパイ(1個256円。発送不可)。サクサクのパイに特製りんごジャムとスライスした「ふじ」や「紅玉」をトッピング。「県産りんごにこだわり、種類を変えて1年中提供します」と代表取締役の一戸康彦さん(41)。パイ底をキャラメリゼしてあり、カリカリ感も楽しめる一品だ。同店2階にはおしゃれなカフェ空間も。
また、87年創業の「フランス食堂シェ・モア」(月曜休業、TEL.0172・33・7990)では、りんごをまるごと使ったアップルパイを提供する。りんごの酸味と濃厚なクリームチーズがマッチしたまろやかな味わい。1個880円。日持ちは1週間で1個から発送可能。同店では秋以降、りんごを使ったランチコースも。 |
「常寿し」の生太巻き |
周辺グルメ情報
【生太巻き】
新鮮な魚が入り、すし文化も育まれた城下町・弘前。そんな弘前のすしの特徴は、食べ応え十分の太巻きだ。
昭和44年創業。土手町と夜の歓楽街・鍛冶町をつなぐ「かくみ小路」に店を構える「常寿し」(月曜休業)では、12種類の具材が絶妙にくるまった生太巻き(3675円)を提供。マグロ、イカ、ウニ、数の子…。食感の違いや味の深みを堪能してみては—。
【イガメンチ】
戦前から弘前庶民に愛され、総菜店などで食べられる「弘前のソウルフード」。イカのゲソを包丁でたたき、残り物の野菜と小麦粉を混ぜ、油で揚げたシンプルなメニュー。貴重な海産物を少しでもおいしくと作った津軽の“母の味”だ。 |
【弘前観光の問い合わせ】
弘前市立観光館 TEL.0172・37・5501 |
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