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おかわりはシャベルで。同行者でカキが苦手な人には、同じ値段でホタテの蒸し焼き(6枚)もある |
山が海にこぼれたかのような急しゅんな海岸線—リアス式海岸が続く岩手・三陸。素晴らしい景観を誇るとともに、ここは親潮と黒潮が交わる豊かな漁場で、回遊魚ばかりでなく沿岸で繁殖した魚介類が豊富に水揚げされている。さあ、三陸の「海」を満喫する旅に出てみよう。
“シャベルでおかわり” カキ食べ放題
カキの養殖といえば広島が有名だが、三陸のカキも負けていない。リアス式海岸の入り組んだ、波の静かな湾内は養殖に適し、三陸の海に発生する大量のプランクトンがミネラルたっぷりのカキを育てるという。
そんなおいしいカキをおなかいっぱい食べられるのが、「かき小屋」(山田町水産センター内)だ。殻付きカキ出荷量日本一を誇る山田町の観光協会が運営し、45分間の食べ放題を行っている。
食べ方は豪快。4人テーブルの鉄板の上に、シャベルですくった殻付きカキの蒸し焼きが山と盛られる。その数約120個。横に付いた観光協会職員が専用の道具で手早く殻をむき、岩手名物わんこそばのごとく参加者の目の前にあれよあれよと並べてゆく。テーブルのカキが少なくなればそのたびシャベルで盛っていく。
「今までの記録は男性が128個、女性が114個だよ」と殻をむいてくれた観光協会の沼崎真也さん(37)。「水温が低く成育期間が長いが、山田の人間はウチのカキが日本一おいしいと皆言っている」と胸を張る。
期間は5月8日まで。金・土・日・月曜・祝日の営業で大人1人2000円。完全予約制で2人から。各種飲み物(ビール、お酒、お茶)も別途販売。カキ直売所も。
問い合わせは山田町観光協会 TEL.0193・82・6161 |
狭い岩穴も地元漁師の操船で巧みにくぐり抜ける |
リアス式海岸船上から望む
田野畑村・北山崎の海は、荒波洗う奇岩怪石、海食洞窟などダイナミックな海岸線が8キロも続き、(財)日本交通公社の全国観光資源評価では富士山に匹敵する最高ランクに格付けされたほどの景勝地。
そんな三陸を代表する海岸美を海の上から楽しめるのが「サッパ船アドベンチャーズ」。「サッパ船」とは一説によると「笹(ささ)の葉」のような小型漁船の意味という。
海岸を知り尽くした地元漁師の操船により、定期観光船では通過できない洞窟や岩穴をくぐり、高さ200メートルの断崖絶壁に間近に迫るなどスリルと絶景を楽しめる。所要時間は1時間。要予約で料金は1人3500円(1人で乗船の場合は7000円)。体験村・たのはたネットワーク TEL.0194・37・1211 |
産直列車では、「産直リアスの会」の(前列右から)熊谷満恵さん(50)、照井民子さん(63)が地元手作り物産を販売。ゴールデンウイーク期間は定期便でも運行。後ろは三陸鉄道旅客サービス課長の赤沼喜典さん |
三陸鉄道を“貸し切り”
岩手県の海岸線を走るローカル線・三陸鉄道は、車窓からの絶景とユニークな運行体制でより一層、三陸の旅を楽しませてくれる。
第三セクター鉄道の常として運行本数は少ないが、それを逆手にとり予約1本で貸し切り臨時列車を運行。また一般車両以外にもレトロ車両、お座敷車両も貸し切り可能だ。さらに、冬の名物となった「こたつ列車」、地元の手作り物産を売る「産直列車」、三陸の甚大な津波被害を語り継ぐ「海物語列車」など、数々のユニークなオプションも選択できる。団体旅行のサプライズとして最適。
「臨時列車の運行時刻は10分単位でご指定できます」とは旅客サービス課長の赤沼喜典さん(48)。
値段もリーズナブル。2時間限定で一般車両1両貸し切りにつき3万5000円。レトロ・お座敷は5万円だが、3日以上前の予約でそれぞれ半額となる。予約は3人以上から。問い合わせは三陸鉄道 TEL.0193・62・8900 |
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