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「カレッタ」の水槽で元気に泳ぎ回るクロウミガメ |
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鳴門の渦潮 |
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徳島県南東部に位置する美波町は、国内有数のウミガメの産卵地。ことし春まで、この町を舞台として、NHK連続テレビ小説「ウェルかめ」が放映され、全国に一躍その名が知られるようになった。その美波町のウミガメの博物館や徳島市の阿波おどり会館、グルメスポットなどを巡り、徳島の魅力を体感してみたい。
ウミガメ見学、クルーズ
緩やかな弧を描き、静かに波が打ち寄せる美波町大浜海岸。ここは5月中旬〜8月中旬、アカウミガメが産卵のために上陸する海岸として知られ、国が指定する天然記念物となっている。
その大浜海岸の目の前にあるのが、ウミガメ専門の博物館「カレッタ」だ。館内には世界のウミガメのはく製などが展示され、子ガメが泳ぐ水槽では1日に1度、餌やりを見学することができる。また、屋外のプールには甲羅の長さが1メートルに及ぶ世界最高齢のカメも飼育されている。
美波町日和佐では「ウェルかめ」の舞台となったことを機に、休止していた遊覧船を復活。地元のベテラン漁師が船長となって、大浜海岸沖の景勝地を回る「うみがめマリンクルーズ」(TEL:0884・77・1730)を運航している。
船は日和佐港を出発し、高さ約250メートルの垂直絶壁「千羽海崖」や巨大な洞穴「えびす洞」を間近に見ながら、約15キロのコースを巡る。クルージングの前後には、青空の下で「漁師めし」を楽しむことも可能(要予約)。海を眺めながら食べる採れたてのアワビやイセエビの味は格別だ。
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榮 清文さん |
漁師町の風情
日和佐の海の魅力を堪能したら今度は、漁師町の風情を残す路地や、四国八十八カ所第二十三番札所の「薬王寺」など、町中を散策してみよう。
薬王寺では、「日和佐ぼちぼち観光ガイド」に頼めば、境内を案内してもらいながら、寺にまつわる伝説を聞くことができる。ボランティアガイドの榮清文さん(61)は「人の親しみやすさも日和佐の魅力」と話す。
「味処あらし」の天然鳴門 鯛さしみ定食(2050円) |
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新鮮な食材の宝庫
徳島は、鳴門の潮流にはぐくまれたワカメやタイ、スダチなど、新鮮な食材の宝庫。そうした魚介類や野菜、果物などを使った料理を楽しめる食事どころも多い。
中でもお薦めは、店内にいけすのある和食店「味処あらし」(鳴門市)。定食や御膳(ぜん)についてくる「わかめ汁」は、これを目当てに訪れる人も多い人気の一品だ。
県を代表する料理店「とゝ喝」(徳島市)は、料理に使う食材はもちろん、酒類もすべて地元産にこだわっている。最高級の鳴門ダイをまるごと1匹、米の上に乗せて炊き上げる「鯛めし」など、ぜいたくな旬の味を堪能できる店だ。
地元では、豚バラ肉と生卵をトッピングした、豚骨しょうゆスープの「徳島ラーメン」も人気。ご飯のおかずとして食べるという濃厚なスープのご当地ラーメンも、一度味わってみたい庶民の味だ。 |
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躍動感あふれる阿波おどりは、徳島が世界に誇る伝統芸能 |
阿波おどりを見学
徳島の夏の風物詩といえば、阿波おどり。この伝統芸能を、年間を通して楽しむことができるのが、徳島市内にある「阿波おどり会館」だ。
ホールでは、昼は会館専属の連(グループ)「阿波の風」による公演、夜は33の有名連が1連ずつ日替わりで出演。本場の阿波おどりを披露し、最後には観客も一緒になって踊る体験コーナーも設けられている。
また、阿波おどりの衣装や鳴り物などを展示したミュージアム、徳島の特産品を集めたショップも併設し、さまざまな楽しみ方ができる。
有名連の一つ「娯茶平」の連長、岡英昭さん(69)は、「阿波おどりをする人は一年中、踊りのことで頭がいっぱいです」と笑う。徳島の人をそれほど夢中にさせる祭りを体感するため、一度は訪れてみたいスポットだ。 |
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【観光の問い合わせ先】
徳島県観光協会 TEL088・652・8777 |
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