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やんばるの自然を解説する大城さん |
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希少動物のイシカワガエル(国頭村環境教育センター提供) |
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“命薬の森”で命の洗濯
沖縄の人は感動した時、「命薬(ぬちぐすい)したっさー」と言う。「感動のあまり寿命が延びたようだ」との意味だ。沖縄本島の最北端、国頭村(くにがみそん)に広がる森は大自然の神秘に触れ感動をもたらす緑の楽園「命薬の森」だ。その一角にある「やんばる学びの森」では美しい浜辺と青い空だけではない「もう一つの沖縄」を体験することができる。「命薬の森」に浸り、命の洗濯はいかが?
沖縄に生きる珍しい動植物
美しい自然に囲まれた沖縄本島北部は「山原(やんばる)」と呼ばれ、亜熱帯の大森林が広がる。この森の特徴は固有種の多い生態系。太古の昔、大陸と地続きだった琉球列島だが、地殻変動で沖縄の島々に取り残された動植物が島ごとに固有の進化を遂げたため、ヤンバルクイナ(国指定天然記念物)など、世界中でこの森でしか見られない動植物が多数生息しているのだ。
この環境を生かし、環境学習拠点として整備されたのが「やんばる学びの森」(国頭村字安波)だ。
「学びの森」では自然と触れ合えるさまざまな施設があるほか、やんばるの森に精通したガイドが自然散策路(ネイチャートレイル)を案内するガイドウオークが楽しめ、ここにしかいない希少動物を目撃することも。また、ここは沖縄唯一の「森林セラピー基地」としても認定されている。案内をしてくれた国頭村環境教育センター・センター長の大城馨さん(67)は、「訪れた人には森の中でめい想してもらう。フィトンの香りや木の葉がそよぐ音を感じるだけでも大きな癒やしとなる」と語る。
ガイドウオークは2500円(要予約)。午前・午後の1日2回で所要時間は2時間。また、5月からは新たに開通した散策路でのプレミアムガイドウオーク(4000円)がスタートする
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沖縄の郷土料理が味わえる「命薬弁当」 |
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基本操作を練習後、ウエットスーツ(レンタル)を着て出発 |
“医食同源”を実践 命薬弁当
やんばる学びの森では地元食材を使った命薬弁当が食べられる。メニューはジューシー(沖縄風炊き込みご飯)やジーマミ豆腐(落花生豆腐)などの素朴な郷土料理。
昔から「医食同源」の思想を実践しているという沖縄の郷土料理は、同県が長く長寿日本一(現在は女性のみ日本一)だった大きな要因だとか。文字通り「命薬」弁当なのだ。
1人分1000円で10人以上から予約可能。
生物の観察も楽しみ カヌー体験
「学びの森」に近い安波ダムのダム湖からスタートし渓流下りを楽しめるのが「カヌー体験」。カヌーはオープンデッキで2人乗り。また渓流ではインストラクター兼ガイドとともにトレッキングしながら清流にすむ生き物の観察も。
流れの穏やかなダム湖なのでカヌー初心者でも安心だ。インストラクターを務める山川雄二さん(45)によると「20~30代の女性に人気だが、先日は60~75歳の団体さんが楽しんだ」とのこと。
期間は4月~10月が「ジャングルカヌー」(6000円)、11月~3月が「ウィンターカヌー」(3000円)で要予約。午前10時からの1日1回で所要時間は3時間半。ただし7、8月は午前と午後の1日2回。
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【やんばる学びの森】 【アクセス】
那覇空港から沖縄自動車道を通り終点許田IC(所要時間約60分)まで。その後、国道58号線で「道の駅 ゆいゆい国頭」へ(同約50分)、さらに安波ダム方面へ(同約30分)
【営業時間など】午前9時~午後5時、月曜休館。入場は無料。ただしネイチャートレイル入場料は300円
【問い合わせ】 TEL 0980・41・7979 |
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