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身がぎっしりと詰まった松葉ガニ。ほんのり甘い身と濃厚なカニみそは、まさに“冬の味覚の王様” |
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「本松葉活がに尽くし」の料理。食べきれないほどのカニが出てくる |
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温泉で「ぬくぬく」
今が旬の松葉ガニをたらふく食べ、温泉でぬくぬく…。冬の鳥取は魅力がいっぱいだ。山陰・鳥取というと遠いイメージがあるが、アクセスをうまく使えば意外と気軽に行ける。今回は飛行機で鳥取空港に降り立ち、同県を西へ横断。帰りは米子空港から羽田へ戻る1泊2日の旅程で冬の鳥取を満喫してきた。
同県特産の松葉ガニ漁は11月から3月にかけて解禁される。松葉ガニとは山陰の日本海でとれたズワイガニの別名で、上品な甘さの身とコクのあるカニみそが特徴だ。
連日たくさんのカニが水揚げされる賀露港(鳥取市)近くの「松葉がにセンター」(TEL0120・080885)。とれたてのカニを直売する同センターでは、生カニや絶妙の塩加減でゆでたカニ、鮮魚など豊富な品ぞろえを誇る。同センターを運営する(株)かねまさ浜下商店代表取締役の浜下昌志さん(68)は「ゆでた身にカニみそをたっぷりつけて食べるのがおすすめです」と話す。
冷えた体を温め、おなかを満たそうと向かったのが、県中部の東郷温泉「湖泉閣 養生館」(湯梨浜町、TEL0120・268105)。美しい東郷湖畔にたたずむ同館は、1884(明治17)年の創業以来、志賀直哉や田山花袋ら多くの文人墨客に愛された老舗旅館だ。湖を一望できる貸し切り露天風呂など計6つの浴場(泉質は弱食塩放射能泉)があり、温泉好きにはたまらない。敷地内には広い日本庭園も有しており、露天風呂巡りをしながらの散策も風情たっぷり。
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中国の造園技術を集めた燕趙園。日本庭園と比べてみるのも一興だ。同園はフジテレビのドラマ「西遊記」(2006年)のロケにも使用された |
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おなじみの「ゲゲゲの鬼太郎」キャラクターらが出迎える水木しげる記念館。子どもから大人まで楽しめる |
今回は本場の松葉ガニを堪能しようと、同館のおすすめ宿泊プラン「究極のかに三昧! 本松葉活がに尽くし」(料金などは要問い合わせ)を選択。鳥取で水揚げされた本松葉ガニを「刺し」「焼き」「ゆで」と、さまざまに“食べ尽くす”ぜいたくプランだ。刺し身のプリッとした食感、焼きガニの香ばしさ、ゆでガニの豊潤な甘み、カニみそのコク…。同じカニながら調理法によって引き立つうま味の違いに感動し、思わずお酒が進む。
日本最大級の中国庭園
同温泉周辺は観光資源も豊富だ。「燕趙園」(湯梨浜町、入園料500円、TEL0858・32・2180)は、総面積7.4ヘクタールにも及ぶ日本最大級の中国庭園。同県が特産のナシ栽培技術を中国河北省に伝えたことがきっかけで生まれた日中友好のシンボルだ。
中国歴代皇帝が親しんだ「皇家園林方式」の庭園で、設計から素材の調達、加工まですべて中国で行われたこだわりの風景が広がる。豪華な装飾を施した建物やきらびやかな庭園を散策すれば、まるで中国にいるような気分に。チャイナドレスのレンタルや毎日開催される中国雑技ショーも好評だ。
“妖怪の古里”
同県西部地方で見逃せないのが“妖怪の古里”境港市にある「水木しげる記念館」(入館料700円、TEL0859・42・2171)。134体もの妖怪ブロンズ像が出迎える水木しげるロードの終点に位置する同館では、同市出身の漫画家・水木しげるの生い立ちなどを紹介。代表作「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターや日本の代表的な妖怪模型、映像シアター、水木の作品を読むことができる憩いスペースなども。
「水木さん夫妻を描いたNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』がこの春から始まるとあって、来館者が増えています。水木さんの人柄や『妖怪のいる風景』に出合えますので、ぜひお越しを。親・子・孫の3世代で楽しめますよ」と、同館館長の庄司行男さん(53)は話す。
【鳥取観光全般の問い合わせ】
(社)鳥取県観光連盟 TEL0857・39・2111 |
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