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春日山城本丸跡から見た眺めを解説するガイドの岩崎吉一さん |
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春日山城、謙信の居城
現在放映中のNHK大河ドラマ「天地人」で脚光を浴びている上杉謙信、上杉景勝と直江兼続。彼らを輩出した新潟県には戦国期の山城が、多く手つかずで残っている。謙信と兼続らの戦国の世での息遣いがいまだ聞こえるような3つの山城を中心に、「愛」と「義」の故郷・新潟を歩いた。
上越市にある春日山城跡。上杉謙信の居城として有名なこの城は日本5大山城の1つに数えられ、同城の散策コースは、中世の山城の面影を残す美しい景観と詩情を味わうことができる。
観光客を出迎える城入り口の石垣上には、謙信の銅像が川中島の方角に向かって立つ。
春日山城は石垣の代わりに自然の起伏を生かした空濠(からぼり)、土塁で構成されているため、標高180メートルにある本丸近くの謙信がこもったという毘沙門堂のほかは人工的な遺構は少ない。
川中島を見据えるようにして立つ謙信像 |
ボランティアガイドを務めてくれた岩崎吉一さん(66)は「謙信や兼続がどんな思いで本丸からの眺めを見ていたのか、ぜひ感じてほしい」と語っていた。
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天神山城址頂上の本丸跡からは越後平野を一望できる |
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天神山城 越後平野望む
兼続の弟でその右腕として活躍した大国実頼の居城であった天神山城址(新潟市)。天神山城は戦後の開発を逃れたため中世の城郭跡がほぼ完全な姿で残されている。
堅固な山城で、南北に走る尾根には大小7本の空濠が配され、本丸は海抜234.5メートルの天神山山頂にある。越後平野が一望できる見晴らしは抜群。
案内してくれた渡辺紀夫さん(69)によれば、「天神山城址は知る人ぞ知る城跡だった」が、大河ドラマで再発見され人気のハイキングスポットになったという。山頂からの絶景のほか春は雪割草、夏は蛍、秋は紅葉などが楽しめるとあって、歴史愛好家だけでなくトレッキングを楽しむ人たちも訪れている。
坂戸城山ろくの館跡に建てられた「景勝・兼続生誕之地」の碑 |
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「兼続誕生」の坂戸城
南魚沼市にある兼続の居城・坂戸城跡。標高634メートルの坂戸山全体が山城の坂戸城は、戦国時代に一度も落城したことはなく、越後の要塞(さい)といわれていた。
上杉景勝・直江兼続主従の生誕地との説もあり、山ろくには2人の生誕碑が建てられている。
しかしこの由緒ある山城もスキー場・ゴルフ場として開発されていた時代もあり、史跡の半分が削り取られてしまった。「お金第一の時代がありました。
昭和54年の史跡指定以前は自由に開発され、貴重な郭(くるわ)や濠が失われた」とは市の天地人推進事務局公認ガイドの小林昌子さん(43)。今はハイキングコースとして整備され、ふもとの景勝・兼続主従が幼少期にともに学問を学んだ雲洞庵と併せ人気スポットとなっている。
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ガイド
【春日山城跡】
JR信越本線・春日山駅より徒歩40分。北陸自動車道・上越ICより15分。ボランティアガイドは要予約。問い合わせは上越観光コンベンション協会TEL025・543・2777
【坂戸城跡】
JR上越線・六日町駅より徒歩20分。関越自動車道・六日町ICより10分。ボランティアガイドは要予約(4人以内2000円〜)。問い合わせは天地人推進事務局TEL025・773・6702
【天神山城址】
JR越後線・岩室駅より車で10分。北陸自動車道・巻潟東ICより20分。ボランティアガイドは1回4000円。問い合わせは岩室温泉観光協会TEL0256・82・5715 |
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