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むきたてのウニは色、香り、味が同時に楽しめる |
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自然がつくり出した造形美と新鮮な魚介…。夏は三陸の海の恵みが存分に楽しめる季節だ。この時季、岩手・三陸エリアの移動に便利なフリーきっぷも利用できる。陸中海岸最北に暮らす海女や琥珀(こはく)など久慈を拠点に、三陸の魅力スポットを紹介しよう。
「北限の海女」の実演見学
北は久慈市から南は宮城県気仙沼市まで、約180キロに広がる陸中海岸国立公園。同公園内の小袖海岸(久慈市)は「北限の海女」で知られる地。明治時代から続く小袖の海女漁は「かつぎ」と呼ばれ、磯のウニやアワビを素潜りでとる漁法だ。
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「北限の海女」。毎年、8月の第1日曜日には海女フェスティバルが開催、素潜りの実演や海産物の即売会などが行われる |
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脚本家・水木洋子のラジオドラマ(1959年)で注目された「北限の海女」。漁法が近代化した現代ではウニ漁の時季(7〜9月)に限って素潜り漁の見学ができる。夏といっても三陸の海は冷たく「寒さが身にしみる」とベテラン海女さん。とはいえ、熟練の技で、1回の潜水(約1分間)で10個以上のウニをとる。ムラサキウニやバフンウニ…。ベテラン海女さんの一人は、「むきたてのウニを生で食べるのがおすすめ。包丁でたたいたメカブと混ぜ、酢じょうゆをかけるのがぜいたくな食べ方」と話す。
生ウニ試食付きの実演見学は7月から9月末まで。実演料は海女1人に付き5000円(要予約)。問い合わせは小袖海女センターTEL0194・54・2261(センターの見学は無料)
絶壁連なる北山崎 三陸鉄道で巡る
三陸海岸沿いを南北に走るのが今年開業25周年を迎える三陸鉄道(TEL0193・62・8900)。“生活鉄道”というだけにトンネルが多いが、絶景ポイントでの停車や季節のイベント列車などユニークな催しも行われる。
久慈駅からは久慈・宮古間を約90分で結ぶ北リアス線が運行。沿線には200メートルの切り立った絶壁が連なる北山崎や漁師の暮らしを今に伝える机浜の番屋群(どちらも田野畑村)など見どころがたくさん。途中下車して散策を楽しむのも、終点宮古駅で降りて景勝地の浄土ケ浜を目指すのもおすすめ。“地元の台所”である宮古市魚菜市場で、ウニ丼やホヤ(形状から海のパイナップルと呼ばれる)など新鮮な魚介を味わってみては─
北山崎。彫刻のように切り立ったがけが8キロに渡って連なる |
極楽浄土のようだと称される浄土ヶ浜 |
琥珀の美をめでる
久慈は日本最大の琥珀産地でもある。あたたかな風合いと光沢。宝飾品として女性に人気の琥珀は“樹脂の化石”だ。特に久慈の琥珀は約8500万年前(中生代白亜紀後期)と古く、昆虫化石も発見されている。国内唯一という久慈琥珀博物館(TEL0194-59-3831、入館料500円)では虫入り琥珀など貴重な資料の展示のほか、アクセサリー作りや採掘体験ができる。岩手の食材を使った本格フレンチが味わえるレストランも。
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夏の岩手情報
フリーエリア内の鉄道やバスの乗り降りが自由になる「岩手・三陸フリーきっぷ」(10月末まで有効)は「みどりの窓口」などで販売中。東京からの新幹線料金(往復)などを含み、4日間で大人2万8400円。久慈地方や三陸海岸、日本三大鍾乳洞の一つである龍泉洞(岩泉町)へのアクセスにも便利だ。 |
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