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雄大な景色に包まれる千畳敷カール。手前に咲いているのは高山植物コバイケイソウ |
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高山植物の花畑
中央アルプスと南アルプスを望む“アルプスがふたつ映えるまち”長野県駒ケ根市。同市には、高山植物の宝庫「千畳敷カール」や、早太郎伝説、ヒカリゴケで有名な光前寺など見どころがいっぱいだ。また、養命酒駒ヶ根工場を有する“養命酒のふるさと”としても知られる。本格的な夏の到来を前に、駒ケ根の魅力を紹介しよう。
千畳敷カール
中央アルプス・宝剣岳(標高2931メートル)の真下に広がる千畳敷カール。カールとは約2万年前の氷河期に、氷の浸食でおわん形に削り取られた地形のこと。付近一帯は約150種類が群生する高山植物の宝庫として人気だ。
7月から8月にかけては鮮やかな黄色が美しいシナノキンバイやチングルマなどが見ごろを迎える。背後にそびえる宝剣岳の厳しい岩肌と花畑に咲くかれんな高山植物とのコントラストは、まさに絶景だ。花畑の中を約40分で周遊できる遊歩道も整備されており、大自然を満喫できる。
千畳敷カールへの行き来には、「駒ヶ岳ロープウェイ」を使う。1967(昭和42)年に完成した日本初の山岳ロープウエーで、日本最高所にあることでも有名だ。ロープウエーは年中無休で、大人1人往復2200円。
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駒ヶ岳ロープウェイ
問い合わせ:TEL0265-83-5202 |
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光前寺。周辺には駒ケ根高原美術館やそば店などもあり、終日楽しめる |
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ヒカリゴケ自生 光前寺
子女をさらう怪物を退治したという霊犬・早太郎伝説が伝わる光前寺(同市赤穂)は、860(貞観2)年開基の長野県下屈指の名刹(めいさつ)だ。境内全域約6.7ヘクタールが国の名勝庭園に指定され、四季折々に美しい表情を見せる。
また光前寺は、エメラルド色に光るヒカリゴケの自生地としても全国的に知られる。
例年4月下旬から11月上旬にかけて、参道の石垣などに、幻想的な光を放つその珍しい姿を見ることができる。 |
中央アルプスの山々を望む養命酒駒ヶ根工場。敷地の7割が森林 |
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「生薬ゼリー」も 養命酒駒ヶ根工場
14種もの生薬を配合した薬用酒としておなじみの「養命酒」。400年以上の歴史を持ち、日本国内のほか中国やブラジルなど世界中に年間900万本以上が出荷されている。その生産を一手に行っているのが養命酒駒ヶ根工場(同市赤穂、TEL0265・82・3310)だ。
同所では、養命酒の製造工程が見学できるほか、広さ約36ヘクタールの敷地内は「健康の森」として整備・開放され、観光客や市民に親しまれている。駒ケ根観光の一角を担う人気スポットだ。同工場健康の森グループ副長の新沢伸一さん(37)は「養命酒の製造はもちろんですが、わたしたちは美しい自然を保つことも大切だと考えています。ムササビなど森の動物や季節の植物に癒やされますよ」と話す。
敷地内には、自然散策路や工場建設時に発見された縄文・弥生時代の遺跡、養命酒の歴史や生薬について学べる記念館(同社製本みりんや各種土産販売も)などがあり、退屈しない。おすすめは記念館併設のカフェ。養命酒ならではの生薬を使ったゼリーなど、ここでしか味わえない“健康的でおいしい”ナチュラルスイーツが豊富だ。
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そのほかの駒ケ根情報
【ソースかつ丼】
市内に約40店ものソースかつ丼加盟店がある駒ケ根の名物丼。キャベツが敷かれたアツアツごはんの上に、各店が独自に調合したソースで味付けしたカツが乗る。
【早太郎温泉】
光前寺の早太郎伝説にちなんだ同市内の温泉郷。泉質はアルカリ性単純泉で「美人の湯」として知られる。写真は「山野草の宿 二人静」(TEL0265-81-8181)の庭園露天風呂。
【駒ケ根へのアクセス】
新宿高速バスターミナルから中央道駒ヶ根インターまで高速バスで約3時間半(片道3650円)。
【観光の問い合わせ】
駒ヶ根観光協会TEL0265-81-7700
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