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歳三が得意とした天然理心流の型「すね切り」の演武を見せるボランティアガイドの大久保さん |
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日野を訪ねる
日野宿本陣や土方歳三資料館
「新選組のふるさと」日野は、新宿から電車で約40分。同地の出身である土方歳三(1835〜1869)ら新選組隊士の子孫がそれぞれの遺品を展示する個人資料館開館日(第1・第3日曜日)には、全国から新選組ファンが訪れる。今年は土方歳三が北の大地、北海道・函館に倒れて140年目。幕末のロマン漂う日野の町並みを巡ってみた。
まず訪ねたのは日野市役所。「5年前の大河ドラマ『新選組!』放映で、多くのお客さんに訪れていただき、日野市の観光都市としての街作りが始まった」と語るのは同市観光行政担当主幹の小塩茂さん(47)。市では日野駅から約10分の史跡・日野宿本陣(日野市日野本町)を買い取るなど観光事業を強化している。
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土方陽子さん |
天然理心流の演武を披露
次に訪ねたのは日野宿本陣。日野宿本陣は土方歳三の義兄で宿名主の佐藤彦五郎(1827〜1902)が再建した甲州街道の宿場。彦五郎はこの本陣の一部を道場として若き日の新選組メンバーに開放していた。
「お1人さんでもしっかり案内しますよ」とほほ笑むのは本陣に詰めるボランティアガイドの大久保昭男さん(77)。実は大久保さん、新選組の流派・天然理心流免許皆伝の腕を持ち、リクエストに応え演武も見せてくれる。入館料200円。開館は午前9時半〜午後5時。休館日は毎週月曜日。
土方家を改造 子孫が館長
土方歳三ファン必見が次の訪問地。ずばり土方歳三資料館(日野市石田)だ。館長は歳三から数えて5代目の土方家宗家を務める土方陽子さん(71)。
日野新選組同好会名誉局長の峯岸さんは全国の新選組イベントに会員を引き連れ、おそろいの衣装でパレードに駆け付ける |
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資料館は土方家の自宅を改造したもの。京都・池田屋襲撃時の鎖かたびら、愛刀・11代目和泉守兼定など、生前の息吹を感じる歳三の遺品が並ぶ。新選組と歳三の魅力について土方さんは「『大事なものを命をかけて守る』という姿勢が人の心を引き付けるのでは」と語る。
原則として第1・第3日曜日のみ開館で、開館時間は正午〜午後4時。入館料500円。問い合わせはTEL042-581-1493
グッズそろえ俳句を募集
歳三の墓所がある資料館近くの石田寺で手を合わせた後、最後に訪ねたのは高幡不動駅前で日本屈指の品ぞろえを誇る新選組グッズの店「池田屋」。店主の峯岸弘行さん(48)は日野新選組同好会名誉局長を務め、全国で新選組イベントを開催、新選組顕彰のため各地を駆け巡る行動派だ。
今年は土方歳三の140年忌。同好会では、俳人でもあった歳三にちなみ「新選組・俳句作品コンテスト」、そして「歳三へのラブレター・絵手紙作品コンテスト」を開催、応募者を募集している(5月11日まで。問い合わせはTEL042-592-2256、または同好会ホームページ参照)。峯岸さんは「新選組の地元からその雄姿を発信していく」と熱く語ってくれた。
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「ひの新選組まつり」の様子 |
【ひの新選組まつり】
毎年土方歳三の命日(5月11日)の前後に行われる、関東屈指の新選組イベント。今年は5月9日(土)、10日(日)開催。市内でさまざまな催しが行われるが、メーンはパレード。
観光協会が貸し出す新選組の衣装を身にまとったファンが新選組史跡の集中する高幡不動地区および日野駅周辺を練り歩く(衣装レンタル応募期間は終了)。
毎年4〜5万人が訪れ大変な盛り上がりを見せる。問い合わせは日野市観光協会TEL042-586-8808
【高幡不動尊】
高幡山明王院金剛寺(日野市高幡)は本尊不動明王坐像によって広く知られる関東三不動尊の1つとして、多くの人々の信仰を集める。華麗な五重塔をシンボルとする真言宗の名さつ。新選組との関係も深く、山門付近には新選組顕彰碑「殉節両雄之碑」と土方歳三の銅像が立つ。
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