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昨年11月末に行われた「もりおか地鍋」発表試食会の様子 |
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東京から東北新幹線で約2時間半。岩手県盛岡地方の観光・飲食施設では2月末まで、同地方8市町村内の豊富な食材を使った“地産地消”の鍋料理「もりおか地鍋」を提供している。
周辺には「美人の湯」で知られる繋(つなぎ)温泉のほか、南部せんべいや民芸品などの手作り体験ができる観光施設も。小岩井農場での岩手雪まつりも間近に控え、胃も心もあったか気分を満喫できる季節がやってきた。
もりおか地鍋
昨年2度の震災とその風評被害を受けた岩手県。「もりおか地鍋」は、同県が観光客誘致と地産地消の一層の促進を目的に展開する「岩手・盛岡いただきます!キャンペーン」の目玉イベントだ。
メニューは全部で28種類。ニンニクみそで食べる葛巻地方の郷土料理「そばかっけ」(「そばしゃぶ」ともいわれる)、南部杜氏(とうじ)の造った酒かすと地場産みそをベースに三陸の魚介や南部地鶏を豪快に入れた鍋などさまざまだ。同キャンペーンに合わせ、昨年11月末に盛岡市内で行われた発表試食会ではゲストに食生活ジャーナリストの岸朝子さん(85)が登場。
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「盛岡の奥座敷」といわれる繋温泉。「四季亭」の浴室 |
「鍋は野菜、肉、魚などがバランスよく取れる食事。家にある食材でできるし、材料さえ切っておけば奥さんも手を休められる。食卓を囲めば、湯気の向こうに笑顔が見えます」と、3つの効用を紹介した。そのほか、鍋には高原牛乳や豆乳、まがりねぎなど地場食材を使って美容や健康に配慮したものも多く、体のしんからポカポカに。
キャンペーンは盛岡地方の旅館や飲食店など26店で。対象店舗で“もてなし鍋”を注文すると同地方の温泉宿泊券などが当たるプレゼント企画も2月15日(日)まで実施している。
繋温泉
盛岡近郊のおすすめスポットは市内からバスで約30分、御所湖のほとりに面する繋温泉。前九年の役(1051〜62年)の際、ここに本陣を置いた源義家が発見したとされる名湯で「泉質は単純硫黄泉。リウマチや糖尿病に効能があり、美人の湯ともいわれます」と話すのは「四季亭」(TEL019-689-2021)代表取締役の間瀬信康さん(58)。温泉郷の一角には、義家が愛馬の傷を癒やすため穴の空いた石につないで入浴したという「つなぎ石」が残っている。
また、周辺には盛岡の地場産業が一堂に集結した「盛岡手づくり村」があり、県内の地場産品約4000種を展示販売。村内の工房では、竹細工や盛岡冷麺(めん)などの手作り体験も楽しめる。
小岩井農場 31日から「岩手雪まつり」
岩手の人にとって特別な“存在”が、見る場所によって姿を変える岩手山。別名「岩鷲山(がんじゅさん・がんしゅうざん)」とも呼ばれ、同市の歴史に詳しい文化地層研究会の金野万里さん(50)は「春になると雪解けの形が羽を広げたワシの姿に見えます。これが見えると農家の人が田植えを始めます」と話す。
小岩井農場の一本桜と岩手山 |
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その岩手山のふもとにあるのが、1891(明治24)年創業の小岩井農場だ。総面積3000ヘクタールという敷地内に広がるのどかな風景。NHK連続テレビ小説「どんど晴れ」でおなじみになった一本桜のほか、場内の「まきば園」には天文館や羊と触れ合える羊館も。搾り立ての生乳のおいしさが味わえるミルク館もあり、濃厚なソフトクリームやのむヨーグルトは絶品だ。
また「まきば園」はみちのく5大雪まつりの一つ、「岩手雪まつり」(1月31日〜2月8日)の会場でもあり、期間中、花火大会や雪像ライトアップなどのイベントも。「雪のかまくらの中で、ジンギスカンを食べるのが人気ですよ」と金野さん。
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