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栗林公園の絶景を身ながら朝がゆをいただく |
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訪れる者に癒やしをもたらす“うららかな島”四国。宝石をばらまいたような、神秘的な光景が広がる多島海-、瀬戸内海を眼下に収めつつ空港に降り立つと、出迎えてくれたのは豊饒(ほうじょう)の海と険しい山々が織りなす壮大なパノラマ、その大自然からもたらされるみずみずしい食材、そして旅人を歓迎する地元の人々のおもてなしの心だった-。
栗林公園で朝がゆ
香川
栗林公園(香川県高松市)は江戸時代初期の回遊式大名庭園。国の特別名勝の指定としては日本最大の広さを持つ庭園だ。その栗林公園の朝の魅力として人気なのが、朝がゆ。趣のある茶室・花園亭で景勝を眺めながら味わうことができる。
朝がゆとはいえ、膳(ぜん)には焼き魚など数品のおかずが付き、十分おなかいっぱいとなるボリュームだ。また、朝がゆは季節ごとに味を変え、5月はお茶がゆだったが6、7、8月はハスの実がゆを食べることができる。何度も訪れてくれるリピーターに、さまざまな味を楽しんでもらうためだとか。
朝がゆを楽しめるのは公園の開門午前7時から午前10時までの間。予約制で1人前1050円~。地元では朝がゆを食べてから会社に出勤する人もいるとのことだ。
伝統の石積み守る
徳島・美郷
自然豊かな美郷(徳島県吉野川市)は縄文の昔より人々が住み着いた美しい山里。だが、それは人と自然の、戦いと共生の歴史だったかもしれない。平たんな場所のない山里のこと、人々は急峻(しゅん)な土地に段々畑を開き、そのため美しい石積みが発達した。しかし、今では里も過疎化の波に襲われ、現在でも残るのは高開(たかがい)地区のみだ。
人よんで「高開の石積み」は約90段、高さ約100メートル。その頂まで登れば標高360メートルの高さに達する。
高開の石積み。まるでインカの遺跡のようだ |
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高開文雄さん |
この石積みをたった1人で守るのは高開文雄さん(75)。文雄さんは昔からの農地を守り続けてきた高開家6代目当主。
もちろん熟練の技を要し、文雄さんも祖父から“一子相伝”の技を継いだという。だが文雄さんの後には、里に石積みを守る特定の後継者はいない。しかし、各地の大学から石積みの技を学ぼうと多くの学生らが文雄さんの下に集う。学生らを指導する文雄さんは「わたしがいなくなってもこの石積みがずっと残ることを信じている」とほほ笑む。伝統は途絶えることなく、確実に継承されていく。
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水口義継さん |
道後温泉に地ビール
「『坂の上の雲』のまちづくり」でさらなる観光誘致を目指す愛媛県松山市。その一角を担うのが日本三古湯の一つ、道後温泉─。明治からの歴史的建造物「道後温泉本館」を中心とした街には多くの温泉宿・ホテルが軒を連ねる。
この活気あふれる温泉街において、多くの湯治客が湯上りに地ビール「道後ビール」でのどを潤す。この地ビールを生産しているのが「本館」の近くにある1895(明治28)年創業の水口酒造。ここ水口酒造は代々続いてきた造り酒屋。しかし4代目の現社長・水口義継さん(51)の英断によりビール、焼酎の製造も始め、一大ブランドを築くことに成功。勝因は道後温泉の商店街のみに出荷し、道後を訪れたお客さんに作りたてのビールを飲んでもらうという地域密着型の戦略だ。
蔵は開放されており、観光客は見学や出来たての地ビールを試飲できる(要予約)。
「JAL麗らか四国」キャンペーン
JALは7月19日(土)まで、「JAL麗らか四国」キャンペーンを展開。四国各地の空港を利用できる6つのルートをフリーチョイス。観光周遊バス「JAL麗らか四国号」で巡る。
ルートは
(1) 道後・足摺ルート
(2) 足摺・高知ルート
(3) 高知・琴平ルート
(4) 高知・鳴門ルート
(5) 琴平・道後ルート
(6) 徳島・道後ルート
1人から参加でき、参加者には四国各地の飲食店などで特典が受けられる「四国で得するパスポート」などさまざまなサービスも(申し込みは出発日の10日前まで)。
リン・リン・ダイヤル
TEL:050-3155-3333
http://www.jal.co.jp/shikoku/
花園亭
予約・問い合わせ:TEL087-831-5255 |
美郷商工会 TEL:0883-43-2505 |
水口酒造
TEL:089-924-6616 |
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