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まばゆい新緑紺ぺきの渓流青空望む名湯 秋田県/仙北市 |
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何度も振り返ってみたくなるほど美しい |
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春のみちのく秋田へ
山々、渓谷、温泉…。秋田は自然の宝庫。みちのくの小京都と呼ばれる角館、新緑がまぶしい抱返り(だきがえり)渓谷、田沢湖、野趣あふれる八幡平 (はちまんたい) 温泉郷など見どころがいっぱいだ。この春、自然美を求めて、秋田を訪ねた。森林浴をしながらのハイキングでリフレッシュし、湯煙漂う温泉で疲れを癒やしてみよう。
美 際立つ「回顧の滝」
桜の角館から抱返り渓谷へ
東京から秋田新幹線で3時間15分、仙北市・角館駅に到着する。4月下旬ごろ、角館の桧木内川堤の約2キロにソメイヨシノが、同市内の武家屋敷ではシダレザクラがそれぞれ咲き誇る。角館から車で約15分、抱返り渓谷に向かう。抱返り渓谷は、“東北の耶馬渓(やばけい)”と呼ばれ、新緑と紅葉の名所だ。角館・田沢湖を流れる玉川中流に広がる全長約10メートルの渓谷。以前はすれ違う時にお互いを抱きかかえるように支えあって返さなければ通れなかったほど、狭く険しい山道だったことから「抱返り」といわれるようになった。雨ごいの神である抱返神社から回顧(みかえり)の滝まで全長1.5キロの遊歩道が整備され、片道約30分で歩くことができる。
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新緑がまぶしい抱返り渓谷 |
両岸の山々には、ブナ、ネムノキ、ヤマボウシなどの原生林が茂り、岩壁にかかる滝や紺ぺきの渓流と見事に調和している。5月の上旬ころからはアカシデ、カツラなどの春紅葉、ピンクのヤマザクラが、また5月中旬ころからはまばゆいほどの新緑がハイカーたちを出迎える。このころ、渓流の水量も多くなり、春の渓谷が最も美しい時季となる。1926 (大正15) 年完成の秋田県で最も古いつり橋、「神の岩橋」からの渓谷美は圧巻であり、茣蓙(ござ)の石や誓願橋など見どころが多い。中でも落差30メートルの回顧の滝は抱返り渓谷を代表する滝で、何度も振り返ってみたくなるほど美しい滝である。
「抱返り渓谷は上り下りが少なく、子どもから高齢者まで気軽に自然を楽しめます。ハイキングに来られる時は運動靴を履いて来てください」と旅の案内人協会の渓谷案内人、信田皇勝さん (33) は話す。
刺巻湿原にはミズバショウ
JR田沢湖駅から車で約10分の刺巻 (さしまき) 湿原では4月中旬から下旬、ミズバショウの群生が見ごろ。また西木町八津 (秋田内陸線八津駅徒歩5分) では、4月中旬から下旬、カタクリの群生が素晴らしい。冬季に閉鎖されていた国道341号 (玉川ダムゲート~八幡平トロコゲート) は4月中旬以降に開通する予定だ。
信田皇勝さん |
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野趣ある野天風呂
八幡平温泉郷 ふけの湯温泉
八幡平温泉郷「ふけの湯温泉」は、十和田・八幡平国立公園内にあり、八幡平山頂への登山基地(標高1100メートル)。八幡平最古(宝永年間開湯)で300年以上の歴史を誇る名湯だ。内風呂や露天風呂のほか、宿から2分程歩く野天風呂があり、乳白色の湯が特徴的だ。内風呂と野天風呂は総ヒバ造り。内風呂、露天風呂は単純酸性泉、野天風呂は単純温泉で、神経痛、筋肉痛などに効くと評判の温泉。露天風呂からは、新緑の木々や山々、広い空などの景観がたっぷりと楽しめる。また、岩肌からもうもうと上がる湯煙を眺めながら入る野趣あふれる野天風呂も格別だ。
「ふけの湯は、国土緑化推進機構から『森林セラピー基地』に認定され、職員が森林浴コンダクターの資格を取得するなど、着々とお客さまを迎える準備を進めています」と女将 (おかみ) の阿部恭子さん (67) は話す。館内にある「ふけの湯神社」は、子宝、縁結び、健康の神様。女将が調理する「創作山菜料理」は山に分け入って採った山菜を使用している。冬季閉館で4月下旬から営業再開の予定。
湯煙が風情を醸す八幡平温泉郷「ふけの湯温泉」の野天風呂周辺は、散策にぴったり |
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湯煙漂う野天風呂に入り、疲れを癒やそう |
周辺には、大沼、長沼などのハイキングコースがあり、例年6月上旬から中旬までコバイケイソウ、ワタスゲなどの高山植物が咲き乱れる。
仙北市田沢湖観光情報センター「フォレイク」
問い合せ:TEL0187-43-2111 |
八幡平観光物産協会
問い合せ:TEL0186-23-2019 |
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