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最高の品質をもつ「隠岐がに」 |
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日本海に浮かぶ島、島根・隠岐 (おき)。風光明美なことで知られるこの島は一年中、海の幸に恵まれる。厳寒の今、旬を迎えているのが冬の味覚の代表格・かに。ここで捕れる、生きた「隠岐がに」は最高の品質だ。隠岐がにを求め隠岐 (島後) を訪ねた。
甘くて濃厚、口に“とろける”
「かご漁」で生きたまま捕獲
隠岐は3つの島からなる島前(どうぜん)と島後(どうご)、そして約180に及ぶ無人島からなり、全体が国立公園に指定されている。島後は隠岐北東部にある最大の島で、円形に近い火山島だ。
隠岐はかぶら杉、岩倉の乳房杉、八百杉など巨木に代表される豊かな森林に恵まれている。山からの豊富な栄養分が隠岐近くの海に流れ込み、魚種の多さの一因となっているという。
中でも隠岐の松葉がには、豊かな海で質の良い魚介類を食べて成長することから甘くて濃厚な味を持つのが特徴だ。松葉がには「かにかご漁」と呼ばれる独自の漁法で捕獲する。
「かにかご漁」は直径1メートルほどの網かごにエサの魚を入れ、縄にこのかごを約100個つけ水深200~500メートルの漁場に仕掛け、数日後、引き上げるというもの。この漁法は、かにが生きたままで傷つくことなく捕獲できる。隠岐では清幸丸など7つの船団で松葉がにが水揚げされている。この松葉がにの中で、900グラム以上で最終脱皮を終えたころ合いの特上物を同地では「隠岐がに」と呼んでいる。
ホテルでこの隠岐がにを食した。テーブルに出されたのは、かにのおつくり、かにすき、かにみそ甲羅焼き、焼きがになど。
どの料理も美味。中でも、かにのおくつりは、隠岐ならではのもの。口にすると、かにがとろけるようにゆっくりと口中に広がっていく。
「かにかご漁」の網かご |
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豪華な隠岐がに料理 |
「うまい!」。かにの醍醐味(だいごみ)を満喫した。
隠岐松葉がにを食するプランは1人2万4800円~4万2800円で4コースがある(境港・七類港~隠岐間の隠岐汽船フェリー2等客室往復運賃と1泊2食付きのホテル料金を含む)。このプランは2月末まで隠岐プラザホテル、ホテル海音里(うねり)で提供される。
隠岐地方特有の建築様式を残す佐々木家 |
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風光明美、島根・隠岐を訪ねる
風土を“語る”名所も
観光タクシーがお勧め
冬季の隠岐観光は、降雪などで訪ねることができない場所もあるので、観光タクシーの利用がお勧めだ。
観光タクシーのプランは隠岐郷土館などを見学するプランと、隠岐に残る古民家・佐々木家を訪問する2コースがある(両プランとも中型車3時間で料金は1万6800円)。
隠岐郷土館(要入館料)は水若酢神社の隣接地にあり、隠岐島の民俗・歴史資料など約3000点を所蔵。建物は明治初期に建設された洋風木造建築で、郡役所として使用されていた。このコースは隠岐を知る手掛かりがたくさんあり、興味深い。
佐々木家(要入館料)は江戸時代中期の1792(寛政4)年に建設された富豪佐々木家の母屋。激しい風雨に耐えるためイタヤと呼ばれる隠岐特有の石置き屋根を備えているのが特徴で、現在国の重要文化財に指定されている。屋内には3カ所のいろりがある。
いろりを囲んで、温かいお茶や四季折々、地元でとれた食材で作った「こじゃ」(隠岐地方の方言でおやつの意)をいただきながらのんびりと過ごすのもなかなかいいものだ。
隠岐観光に関するお問い合わせ
TEL : 08512-2-1577 |
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