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まるで猿が左横を向いてたたずんでいるような奇岩
「猿岩」。近くで見ると迫力満点だ。 |
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美しい景観や豊富な海の幸、ブランド牛、焼酎、遺跡、温泉…。玄界灘に浮かぶ長崎・壱岐(いき)島は、訪れるものを飽きさせない "魅惑の島" だ。
世界で最も古い日本の記述といわれる「魏志倭人伝」にもその名が記載される歴史の島でもある。悠久の時に思いをはせながら、目を、舌を、胃袋を満足させに壱岐へ行ってみよう。
奇岩「猿岩」
壱岐へは福岡から高速船で約1時間。東西約15キロ、南北約17キロ、島の中心からどこへ行くにも車で20分程度という小さな島だ。入り組んだ海岸線は美しく、奇岩「猿岩」など絶景ポイントも点在する。また、島内には150余りもの神社や、古墳も数多く存在し古代からの歴史の息吹が感じられる。
倭人伝の“国”
壱岐は魏志倭人伝に「一支国 (いきこく) 」の名で登場。島の東南部に広がる「原 (はる) の辻遺跡」は、「一支国」の中心地跡だ。弥生時代の大規模環濠 (かんごう) 集落で、同時代のものとしては登呂 (静岡県) 、吉野ケ里 (佐賀県) に次いで3つ目の国特別史跡に指定されている。日本で最古の船着き場跡が発見されるなど、近年注目を浴びつつある。
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現在復元中の原の辻遺跡の建物。
弥生時代当時と同じ位置に同じ工法で建てられている |
壱岐市 (原の辻プロジェクト室TEL0920・45・1111) などは現在、高床倉庫や祭儀場などを復元中だ。2009年には、遺跡の全容を見下ろす高台に、同遺跡の博物館 (デザインは故黒川紀章氏) がオープン予定。歴史ファン必見のスポットだ。
伝統の焼酎
島でぜひ味わいたいのが壱岐焼酎。同島は、麦焼酎発祥の地といわれ、現在も7軒の蔵が伝統の味を守っている。大麦3分の2、米3分の1という独特の割合で熟成した本格焼酎で、麦の香りとスッキリした飲み口は、どんな料理にも合う。
玄海酒造・山内賢明社長 |
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また、壱岐焼酎は、ウイスキーのスコッチやブランデーのコニャックなどと同様、地理的表示の産地指定を受けており、名実ともに世界の銘酒に育っている。ちなみに焼酎で産地指定されているのは壱岐焼酎のほかは、熊本・球磨焼酎と沖縄・琉球泡盛のみ。
明治33年創業の玄海酒造 (TEL0920・47・0160)・山内賢明社長 (75) は「焼酎造りは量より質を重視しています。産地指定されていますが、まずは壱岐の島民が『おいしい』と言ってくれる焼酎を造っていきたい。壱岐の人は味に厳しいですから」と話す。同酒造では工場見学や試飲サービスも。
目だけでなく舌も満足
壱岐牛
島の味覚の代表格は、海の幸と壱岐牛だ。特に壱岐牛は知る人ぞ知るブランド牛。壱岐はこれまで、但馬牛や松阪牛など全国銘柄の子牛主産地として、各地に優れた牛を提供してきた。軟らかく良質な肉質が特長で、食べ続けても飽きがこない。牧場直営の壱岐牛専門店「うめしま」(TEL0920・45・3729) では、いろいろな食べ方で壱岐牛を堪能できるほか、直売価格で通信販売も。
また、日本有数の水揚げを誇るケンサキイカやウニ、マグロなど海の幸も多彩だ。旬の海の幸は同島北部に位置する勝本港の朝市などで購入できる。
壱岐牛のサーロインステーキ。島特有の潮風がエサとなる牧草に適度な塩分を与え、健康で良質な牛が育つ。 |
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辰ノ島 |
原の辻プロジェクト室
TEL : 0920-45-1111
玄海酒造
TEL : 0920-47-0160
うめしま
TEL : 0920-45-3729 |
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その他のお薦め観光・宿泊施設
◆辰ノ島・島巡りクルージング◆
無人島「辰ノ島」の奇岩、断がい絶壁を海から見上げるクルージング。
料金 : 大人1人1500円/電話:0920-42-2020
◆平山旅館◆
新鮮な魚介類をふんだんに使った料理が自慢の宿。鉄分を含んだ赤い湯 (食塩泉) が特徴のかけ流し露天風呂も。料金:1泊2食付き1人1万3800円~/電話:0920-43-0016 |
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