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上賀茂神社。毎年5月には京都三大祭りのひとつ「葵祭」が開催される。 |
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まだ知らない京都へ
世界文化遺産にも登録され、京都で最古の神社とされる上賀茂神社 (賀茂別雷神社) は、数々の神事を今に伝えている。同神社は現在、国宝の本殿間近で参拝できる特別プラン「まだ知らない京都がある『祭庭への誘 (いざな) い』」を実施中 (企画 : ホテルグランヴィア京都、7月31日まで)。1000年余りもの間、神職以外は入ることの許されなかった場所に参列できる貴重な機会だ。また、京都市北部に位置する同神社周辺エリアは、落ち着いた街並みで賀茂川などの自然も多く、定年世代がゆったり回るのにぴったりだ。同神社を中心に京都散策コースを紹介しよう。
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丁寧な説明が参列者から好評の村松晃男・権禰宜。このプランでは、各種神事で使う祭用具も拝観できる。 |
上賀茂神社・7月31日まで特別プラン
上賀茂神社特別参拝プランは、京都駅ビル内にあるホテルグランヴィア京都の宿泊者限定で実施。参加者は午前7時過ぎに同ホテルを出発、上賀茂神社へ向かう。
神社では、神職による解説の後、重要文化財「直会 (なおらい) 殿」昇殿など参拝開始。この間、「手水」や「おはらい」、境内を歩く道筋など正式な神道の作法にのっとり体験する。
荘厳な雰囲気の中、同プランのハイライト「御日供 (おにっく) 祭」参列へ。御日供祭とは、米や酒、野菜など神様の食事を本殿などにお供えする祭事で、神職が365日毎朝行う。担当する神職は、心身を清めるため前の晩から神社に泊り込むという神聖な儀式だ。1000年余りも変わることなく脈々と続けられてきた儀式を目の当たりすると、知らず知らずのうちに背筋が伸びる。めったにできない体験だ。
「古くからの伝統など、日本の文化は“繰り返す”ことを大切にしてきました」と同神社の村松晃男・権禰宜 (ごんねぎ) 。「ここに来れば『自然への感謝の心』など、ごく最近まで当たり前にあった感覚を取り戻すことができます。ぜひ体験してみてください」
歴史ある井関家や西村家別邸などが建ち並ぶ社家町。道路脇には風情ある明神川が清らかに流れる |
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散策コース
土塀が続く社家町
約1時間半の同プラン終了後は、周辺散策。その前に腹ごしらえをしたい向きには上賀茂神社前の今井食堂がおすすめ。3日間煮込んだサバ煮定食 (630円) は絶品だ。コクのあるたれがサバ全体に染みわたって、骨まで軟らか。同定食は持ち帰りもできる。おやつや土産には神馬堂 の名物「やきもち」 (1個120円) がいい。
神社を出て東へ道なりに進むと、かつて社家 (代々神社に仕えた神職) が屋敷を構えた伝統的な「社家町」が続く。屋敷群には重厚な土塀がめぐらされ、その町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
社家町を過ぎて地下鉄北山駅を目指して南へ行けば「京都府立植物園」 (一般200円、TEL075・701・0141) へ。総面積約24万平方メートルの敷地内に1万2000種類12万本が栽培される日本屈指の植物園だ。この時季、アジサイなどが見ごろ。
以上のコースをぶらぶら巡ればゆうに1日を過ごすことができる。時間と体力に余裕のある人はさらに南へ足を延ばして、上賀茂神社ともゆかりある「下鴨神社」や隣接する「糺 (ただす) の森」へ行くのもおすすめ。
『上賀茂神社特別参拝プラン』
同プランは宿泊とセットで2人1室1人1万6500円 (休前日は別料金)/問い合わせ:TEL075-344-8888 (ホテルグランヴィア京都) |
『今井食堂』
絶品!サバ煮定食/TEL:075-791-6780
『神馬堂』
名物「やきもち」/TEL:075-781-1377
『京都府立植物園』
料金:一般200円/TEL:075-701-0141 |
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