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300種類の高山植物はハイカーの疲れを癒やす |
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北秋田市の森吉山(1454メートル)は「花の百名山」の1つとして親しまれ、6月初旬から9月下旬にかけて約300種の高山植物が咲き誇る。名滝群やU字型の渓谷、温泉など見どころも満載で、ゴンドラ(6月から運行)を使えば気軽にハイキングを楽しめる。各スポットを結ぶ秋田内陸縦貫鉄道を拠点に、四季折々の"表情"に出合える森吉の春を堪能しに出掛けた。
秋田内陸縦貫鉄道は、仙北市角館から北秋田市鷹巣まで約94キロメートルを結ぶ。車窓からは、比立内橋梁(きょうりょう)など、四季折々の渓谷美が楽しめる。
阿仁合駅で下車し、一路森吉山の頂上を目指す。森吉山阿仁スキー場からゴンドラに乗り山頂駅舎で降りると、山道にはショウジョウバカマやシラネアオイなどかれんな高山植物の数々。山頂からは、鳥海山や日本海、白神山地など360度のパノラマが広がる。
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イワカガミ |
山頂東部の山人平は森吉山屈指の花畑だ。例年6月中旬から下旬にかけてイワカガミやチングルマが群生し、ピンクと白の花のじゅうたんに。隣接する山人平湿原では6月にヒナザクラ、8月にはミズギクが花を咲かす。
また森吉山にはブナやアオモリトドマツの原生林も。「ゴンドラを利用すると気軽にハイキングが楽しめ、冬にはスノーシューをはいて樹氷観賞ができます」と、ガイドをしているNPO「冒険の鍵クーン」マネジャーの村田君子さん(62)は話す。
また阿仁マタギ駅周辺には日本の滝100選に選ばれた「安の滝」、「熊牧場」や「マタギ資料館」など、見どころがいっぱいだ。マタギとは熊などの狩りをする狩人集団のこと。「今では約60人が東北地方を中心に会社員や農業をする傍らマタギをしています」とマタギの渡部博さん(67)は語る。
じゃんご料理、マタギ学校…
7年前に新装オープンした打当(うっとう)温泉旅館「マタギの湯」は、「ハイキングの疲れもよくとれます」と宿泊客に評判の宿。露天風呂から見える山々の景観はすばらしい。
地元の旬の食材にこだわった「じゃんご料理」。
左下は「だまっこ鍋」 |
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特に同館の「じゃんご料理」はおすすめ。「じゃんご」とは秋田弁で「自然豊かな田舎」の意味。旬の山の幸にこだわった田舎でしか食べられない食材をふんだんに使う。山菜の南向煮(馬肉とブナカノカの煮物)、イワナの塩焼き、またたびラーメンは上品な味付けで食欲をそそる。比内地鶏のしょうゆ味スープにきりたんぽを丸めたもの(だまこ)、ゼンマイなどが入った「だまっこ鍋」は秋田の郷土料理で、丸めたきりたんぽはマタギが狩りに持参したおにぎりをイメージしたとか。同館支配人の佐々木功さん(56)は「料理長は、地元の人から教わって季節ごとの献立を工夫しています。器も昔使っていた風情のあるもの」と話す。
「マタギの湯」では「マタギ学校」も開講中。「マタギ語り」や「ミニかんじき作り」などの通年講座のほか、6~10月の期間では「山の達人と行く『山菜キノコ採り』」を実施する。
『北秋田市役所産業部商工観光課』
TEL:0186-62-6639 |
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