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春先の朝もやに包まれる小川原湖 |
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本州北端の「あおもり二大湖」は、澄み切った湖面に四季の移ろいを映す。奥入瀬渓流とともに名高い十和田湖。汽水湖ならではの「食の魅惑」を秘める小川原湖。首都圏からの遠さゆえか、周辺には穴場といえる見どころも少なくない。新幹線八戸駅開業で"近くなった"二大湖は、湖面に木々の芽吹きや新緑を映す「北国の春」を待っている。
十和田湖、小川原湖と周辺の観光スポットをつなぐと、地図上に「8の字状」の線ができる。名付けて「十和田8(エイト)ライン」。雄大な自然の中、土地の歴史・文化を体感できる施設や味の名所が並ぶ。
十和田湖周辺に緑がもえ出るのは例年4月下旬ごろ。ブナやミズナラ、カツラ、ニレなどの木々は、芽吹きのとき、残雪のキャンバスにもえぎ色や赤などの色を織り成し、「春もみじ」と呼ばれる景観をつくる。遊覧船に乗り、地上と湖面の"春もみじ二重奏"を楽しみたい。
ヒメマスやワカサギ、山菜などの料理はもちろんだが、十和田湖和牛や乳製品もお薦めだ。道の駅奥入瀬・奥入瀬ろまんパークでは、ヨーグルトや地ビールなどの出来立てを満喫できる。
この地は古くから良馬の生産地として知られ、奥入瀬ろまんパークに近い駒っこランドでは、乗馬や馬車乗り体験ができる。
思わぬ"発見"も 十和田8ライン
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雄大で繊細な四季折々の景観が美しい十和田湖 |
「十和田8ライン」は十和田、三沢両市、東北町、新郷村の4市町村にまたがっている。十和田湖と奥入瀬が有名だが、少し足を延ばせば、思いがけない"発見"が待っている。
新郷村にはキリストの墓と伝えられる地がある。三沢市の青森県立三沢航空科学館は太平洋を横断したミス・ビードル号など飛行機の実物を展示。パイロットや航空管制官の体験ができる科学ゾーンは、歓声が絶えない。
十和田湖より広い小川原湖は、太平洋の海水が混じる汽水湖だ。
ボラやサヨリといった海魚と、コイやワカサギなどの淡水魚が捕れる。ワカサギ、シラウオの水揚げは全国1位。天然ウナギも「日本一では」と地元住民。これまで首都圏からの交通が不便だったためか、十和田湖に比べ観光客は少なく、ひなびた雰囲気が旅情を誘う。
道の駅おがわら湖・湖遊館では、地元の食材を使った料理が味わえる。特産のシジミを使った「しじみラーメン」や「しじみソフトクリーム」の人気が高い。とはいえ「小川原湖の幸すべてをメニューにできない」と、地元・東北町の観光関係者。生きたシラウオの「躍り食い」などは、まさにご当地限定だが時期などが限られるため、町観光課は「事前に問い合わせてもらえれば詳しい相談に応じます」とPRに努めている。
交通案内
東北新幹線で東京駅~八戸駅・2時間56分
問い合わせ :
十和田市観光推進課(TEL)0176-72-2311
三沢市商工観光課(TEL)0176-53-5111
東北町商工観光課(TEL)0176-56-3111
新郷村企画商工観光課(TEL)0178-78-2025 |
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