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十一面観音の名さつ「渡岸寺」 |
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歴史、自然、温泉…佐賀の秘境を巡る
2006年10月にJR琵琶湖環状線が開業。JR北陸本線、JR湖西線への直流化(今までは電気が一部交流方式のため、相互の乗り入れが不可能)が実現した。大阪や福井県から知られざる近江への訪問も便利になり、観光客の増加が見込まれる。湖北、湖西の「奥琵琶湖スポット」の秘境は、これからが面白い。地域自らが町の魅力探しに意欲的でその熱気が伝わってくるからだ。
「観音の里」と呼ばれる高月町、旧・浅井町などの一帯は、のんびりとした農村風景が広がる。JR高月駅近くにある渡岸寺が、観音の里の中心をなす。同寺の十一面観音は、平安初期のヒノキ一木造りで、195メートルの立像である。日本に7体ある十一面観音の中で最も美しいとされる。11仏を載せた頭部と、体のバランスがよく、ぐるり1周して後ろ姿も拝観できる。境内東側の資料館では、この仏像について熱心な解説がある。
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「山門水源の森」の名ガイド・藤本さん |
里人の素朴な信仰の思いに触れた後は、そんな人々をはぐくんできた自然を体験。琵琶湖沿いの道を走り、約3万年も前から育ってきたという「山門(やまかど)水源の森」を目指す。西浅井町付近に位置するこの森は、寒帯に育つブナ、温帯のアカガシが高度によりすみ分ける。植生の妙も楽しめる。森の散策道は、人工的な整備が少なく、地道のままなので、山歩きそのものを実感。個人で歩くのもよいが、森を学習する楽しみもある。
この森が大好きな同志が集まったガイドサークル(山門水源を次の世代に引き継ぐ会・会員数140人の内ガイドは18人)があり、1回1万円(何人でも)で、ガイドを頼める。
「冬ソナ」の気分になれるメタセコイア並木 |
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地質学が専門の元高校教員・藤本秀弘さん(64)は、「これがセンブリ、胃腸の薬」、「この区間は6月には山ユリの群落」と、歩きながら自然スポットを説明。「ここが好きで大津市から2時間近くかけて通ってくる」という熱意が、観光の心を伝え、山の気とともに快い。
◎おすすめスポット◎
ロマンチックなメタセコイア並木
森のそう快さを抱いて訪れたマキノ高原(牧野町)には、ドラマチックなリゾートが待っていた。高原は冬にはスキーをはじめスノーリゾートの拠点になる。ふもとの「マキノ高原温泉さらさ」も、スポーツの後にはたまらない。水着着用の「バーデーゾーン」では水流を利用したさまざまな運動が楽しめる。泉質は天然アルカリ単純泉で、神経痛や筋肉痛に効果があるという。
温泉ですっきりした後は、サイクリングに出よう。思わず、「冬のソナタ」のドラマに突入、さながら主人公の気分に。チュンサンとユジンが初めてデートしたあの場面をほうふつとさせるメタセコイア並木が2.4キロも続く。ロマンチックな思いのみならず、並木の両側は栗、リンゴなどの果樹園が開ける。心身も食も満たしてくれるスローリゾート、ぜひお試しを。
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