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  東京版 令和6年7月下旬号  
「帰って来たドラゴン」50年ぶり上映  アクション俳優・倉田保昭さん

倉田さんは「創武館道場」を地元の世田谷区で開き、40年以上も子どもたちに武道を教えてきた。「武道を教わることできちんとあいさつできるような子どもに育ってほしいと思っています」。子どもたちを見ていて感じるのは時代の変化。「男の子も女の子もいるんですが、最近は女の子の方がガッツがあります。これも今の風潮かな」
自ら製作した短編映画「夢物語」も公開
 ブルース・リーらが出演する香港カンフー映画が数多く製作された1970年代から“和製ドラゴン”として大活躍したアクション俳優のレジェンド、倉田保昭さん(78)。そんな彼の代表作「帰って来たドラゴン 2Kリマスター完全版」が26日から倉田さんの“日本凱旋(がいせん)50周年記念”として上映される。「香港を中心に100本以上の海外映画に出演していますが、この作品が一番印象に残っています。とにかくアクション撮影がハードでした」と語る倉田さん。自ら主演・製作総指揮した最新短編映画「夢物語」2作も同時上映され、新旧の勇姿が楽しめる。

 74年に公開された「帰って来たドラゴン」はマスターネガの損傷などの理由で再上映ができず、ファンの間で長く幻の作品となっていた。それが50年ぶりに日本で公開できるのは、同作の監督、製作者ウー・シーユエンの友情からだった。「彼に電話して、僕の“凱旋帰国50周年”を記念して日本で『帰って来たドラゴン』の再上映を考えていると話したんです。すると、『最近、99分完全版マスターフィルムを2Kリマスターに修正したから、一肌脱ぐよ』と言ってくれました」

 同映画は、中国・清朝末期、悪の魔窟、金沙村(ゴールド・サンド・シティ)が舞台のカンフー映画。“殺人空手”の使い手、格闘家ブラック・ジャガーを演じた倉田さんと、同映画での武術指導も兼ねる主演のブルース・リャンのノンストップでハードなアクションシーンは今見ても、圧巻だ。

 「この映画に出演したときはまだ20代と若かったんですが、肉体的にはかなりしんどかった」と倉田さんは振り返る。監督のウー・シーユエンは、ジャッキー・チェンの出世作「スネ—キーモンキー蛇拳」などを世に送り出した敏腕プロデューサーとしても知られる。撮影現場では、納得いくまで延々とアクションシーンを続けさせたという。

「凱旋」という節目
 「帰って来たドラゴン」は倉田さんの代表作であると同時に、「日本凱旋を果たすことができた」という節目の作品でもある。71年、「悪客」で香港映画デビューした倉田さんは香港、台湾、フィリピンなどのアジア各国・地域で悪役を演じるアクションスターとして高い人気を得た。しかし、「帰って来たドラゴン」の撮影当時は日本を離れて4年近くがたち、望郷の念を抑えきれず内心苦しんでいた。そんな状態のときに同映画の日本での上映が決まる。日本の映画会社からの要請で“凱旋帰国”することになった倉田さんは飛行機から富士山を見て、流れる涙を抑えきれなかったという。

大学は出たけれど…
 幼いころから父に習って空手を始め、高校で柔道、大学(日本大学芸術学部演劇学科)で合気道を習得した倉田さん。石原裕次郎や赤木圭一郎が出演する映画が好きで、将来は「映画監督か俳優になりたい」と思っていたという。そして、66年にテレビドラマ「丸出だめ夫」でデビューし、映画「続・組織暴力」などに出演したものの、いずれも“チョイ役”。「撮影現場では監督から叱られるし、いじめもありました」。夜中に六本木の中華料理店でアルバイトをしながら「大学は出たけれど、これからどうしようか」と悩んでいたときに受けたのが、東京のホテルで行われた香港の大手映画会社ショウ・ブラザーズのオーディション。見事合格した倉田さんは初めて乗る飛行機で香港へと飛び立つ。行ってみると、香港は空手7段、柔道3段、合気道2段の倉田さんにとってまさに“水を得た魚”の地。「香港なら自分の武道の能力が十分に発揮できる。香港が自分の居場所なんだ。もう日本へは帰らないと思いました」。ブルース・リーなど香港カンフー映画の大スターらとも交友し、日本とは桁違いのお金を稼ぐことができた。

 しかし、アクション俳優として成功した香港での生活も、倉田さんにとっては心の底からなじめるものではなかった。日本に凱旋帰国した後は、「直撃!地獄拳」、「女必殺拳危機一発」などのアクション映画や、テレビの「闘え! ドラゴン」、「Gメン 775 」にレギュラー出演するなど大活躍。カンフー映画の大スター、ブルース・リーの急死で人気に陰りが見えた香港映画界から日本へと活躍の場を移していった。

辞める覚悟も胸に
 そして現在、倉田さんは新たに短編映画「夢物語」シリーズ2本を製作、アクション俳優としての健在ぶりを見せた。「77歳のときに、どれぐらい自分の体が動くか撮ってみようという気持ちから撮り始めた」という同映画は、1作約15分と短いが、竹やぶの中で忍者と闘うシーンは往年の倉田さんをほうふつとさせ、迫力十分。同作品はインドの第11回レイクシティ国際映画祭で最優秀短編映画賞を受賞し、今回「帰って来たドラゴン」と同時上映される。

 「カメラの前に立っていたい、という気持ちはいつも心の中にあります」と話す倉田さん。アクション俳優としての熱い思いは、昔も今も変わらない。しかし、「『えっ、この人いくつなの?』っていわれるぐらいのアクションでないと、自分が納得できない」とも言う。「それができなくなったら、辞めるしかない」と心に決めている。


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「帰って来たドラゴン」《2Kリマスター完全版》
 製作・監督:ウー・シーユエン、アクション監督:ブルース・リャン、出演:ブルース・リャン、倉田保昭、マン・ホイ、ウォン・ワンシー、ハン・クォツァイほか。99分。香港映画。

同時上映「夢物語」「夢物語・奪還」
 主演・製作総指揮:倉田保昭、出演・監督:中村浩二ほか。各15分。日本映画。


 各作品とも26日(金)から、新宿武蔵野館(Tel.03・3354・5670)ほかで全国順次公開。

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