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  東京版 令和3年5月上旬号  
自負心は自分に返ってくる  俳優・橋爪功さん

「昔は(舞台の)配役表の端のところの役、それでなければ急きょ追加になった役をよくやらされた」と、橋爪さんは話す。「小悪党とか、人が嫌がる役も多かった。でも、僕に言わせれば、小悪党は(演じていて)面白い。『なぜ嫌がるのかな?』と、不思議に思ったこともある。(演技の)勉強にもなったしね」
5月21日公開の映画「お終活」に出演
 自負心は自分の中に返ってくる—。俳優として半世紀以上のキャリアを誇る橋爪功さん(79)は、「自負心があるから反省もでき、反省があるから成長もできた」と話す。長く舞台に立つ一方、映像分野では、若いとき以上に50代以降の活躍が目覚ましい。21日公開の映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」では、かなり関係がぎくしゃくした熟年夫婦の夫を演じている。死を意識する「終活」を、家族の泣き笑いとともに描いたヒューマンコメディー。「人生への優しいまなざしがにじむ作品になったんじゃないかな」と手応えを語る。

 熟年離婚、無縁社会、認知症…。「70歳を過ぎたら“じじい”の話ばかり。恋愛ものもやりたいよ」と、橋爪さんはぼやきながらも笑みを見せる。映画では、山田洋次監督作品の「東京家族」(2013年)、「家族はつらいよ」3部作(16年〜18年)などに出演。舞台では19年、「Le Père(ル・ペール)父」で認知症を患った父親を好演し、第27回読売演劇大賞の大賞・最優秀男優賞に輝いている。多忙な中、映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」への出演依頼をいったんは断った。「そのときは『終活』という言葉がピンとこなくてね…」。監督・脚本の香月秀之に「結局は口説かれた」と明かし、言葉を継ぐ。「コロナ禍の中の撮影になったけれど、今は『出て良かった』と思っている」

芥川比呂志に心酔
 大阪市出身の橋爪さんは高校1年生のとき、東京に引っ越し。高校卒業後、文学座付属演劇研究所を経て、文学座座員に昇格した。師事したのは、「希代の名優」として名を残す芥川比呂志。肺を病みながらも舞台上で絶叫し、幕が下りた後は満足に息もできないという姿を何度も目の当たりにした。「あそこまで見事な生き方は、僕にはできない。でも、僕が演劇を教わったのはあの人です」。座員昇格から1年後、芥川の後を追って文学座を去り、「現代演劇協会付属劇団『雲』」に入団。初めは出演の機会が少なく、裏方の仕事が主だった。「それでも、辞める気にはならなかった。芝居が好きだったしね」。ただ、演出家でもあった芥川の要求は稽古のたびに増え、「重圧から出番前、舞台の袖で吐いたこともある」と回想する。  そんな橋爪さんの“出世作”は、芥川演出の喜劇「スカパンの悪だくみ」(1974年上演)だ。フランス人の従僕スカパンを関西弁で演じ、ローラースケートを履いた軽快な動きと相まって、大きな話題を呼んだ。

 75年には、芥川らが旗揚げした「演劇集団円(えん)」に参加。現在、その代表を務める橋爪さんは往時を振り返る。「出演依頼を断るなんてあり得なかった」。苦笑しながら、こう続けた。「自負心だけは強かった。例えば、主役が下手な芝居をすると、帰りたくなっちゃう。それは良い意味でも悪い意味でも自分の中に跳ね返ってきて…、そんな演劇生活だったと思います」

50代から次々主演
 多様な分野であらゆる役柄をこなす演技力は映像関係者からも注目され、54歳のとき、「お日柄もよくご愁傷さま」(96年)で長編映画初主演を果たしている。テレビドラマでも「木曜ミステリー『京都迷宮案内』」シリーズ(テレビ朝日、99年〜09年)などで相次ぎ主役に。撮影に臨む心構えをこう語る。「舞台と同様、役の人間として生きるつもりで。(サービス過剰な)良くない“役者根性”が出ないようにね」。稽古・リハーサルの前、台本はあえて音読しない。「声に出すと、自分だけのイメージを現場に持っていってしまう。それは芝居の邪魔になる」

人物の“乱反射”
 公開を控えた映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」で演じた夫は、定年退職から10年たった元会社員との設定だ。「ごくありふれた亭主関白の男。『そういう人は本当にいそう』と感じてもらえたらうれしいね」。半面、ストーリーは起伏に富む。離婚危機、娘との反目、終活拒絶…。橋爪さんは「『えっ』という意外性は、ドラマの醍醐味(だいごみ)」と明言する。「そして登場人物の“乱反射”。性格や環境の違う人たちが、分かったような顔をせずにぶつかり合う…、そうなれば最上の喜劇です」。監督の香月は、エンディングノートをつづるなどの終活を、「(定年後などの)残された長い人生を充実させるための前向きな活動」と捉えている。橋爪さんは「撮影を通し、彼の人生に対する、不真面目でない優しさを感じ取ることができた。映画を見る人にも、それは伝わるんじゃないかな」。

 今秋、満80歳になるが、「現役」の意欲はいささかも衰えない。「体を目いっぱい動かし、怒鳴りまくるような喜劇をまたやりたい」。自身の終活については、苦笑を交えこう明かした。「実はそれを考えている時間が全然ないんだよ」


©2021「お終活」製作委員会
「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」
 大原真一・千賀子夫婦は結婚50年の「金婚」間近だが、夫婦げんかばかりの日々。娘の亜矢は、自身が営むキッチンカーに客としてやって来た、葬儀社の新入社員・菅野涼太と知り合いになる。亜矢の勧めで、涼太の会社の「終活フェア」を訪れた千賀子は、「熟年の青春」を意味する「熟春」という言葉に感銘を受け、涼太が企画を担う「メモリアル映像サービス」を受けることにする。しかし、真一はそれに激怒して…。

 監督・脚本:香月秀之、参考図書:黒川伊保子著「定年夫婦のトリセツ」(SB新書)、出演:水野勝、剛力彩芽、松下由樹、高畑淳子、橋爪功ほか。113分。日本映画。

 21日(金)から、丸の内ピカデリー(Tel.050・6875・0075)ほかで全国公開。

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