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  東京版 平成26年2月下旬号  
情熱と哀愁のタンゴを  バンドネオン奏者・京谷弘司さん

3月で古希を迎える京谷さんは、重さ約8キロのバンドネオンを片足に載せて堂々と弾くスタイルをとる。「ストレスと肩凝りはない。好きなことをやって好きな道で生きているんだから。タンゴは生きがいです」。後ろの写真は昨年亡くなった歌手・藤沢嵐子が65歳頃のもの
4月、四重奏で公演
 「情熱と哀愁にあふれたタンゴを」。日本が誇るバンドネオン奏者の京谷弘司さん(69)はタンゴと真摯(しんし)に向き合い、常に第一線で活躍してきた。温厚で口下手。演奏こそが京谷さんの内面を表現する瞬間だ。1950年代の日本のタンゴブームを支えた早川真平、藤沢嵐子らと共演し、タンゴ界の巨匠アストル・ピアソラから将来を期待された。「現場の垢(あか)がタンゴを面白くする」。“タンゴの原点”を知る京谷さんが4月、本場アルゼンチン・タンゴの音色を四重奏で届ける。

 情熱的でロマンチックなタンゴの音色に合わせ、プロのダンサーが華麗なステップを踏む─。昨年12月、千代田区で開かれた「絢爛たるタンゴの世界」に約200人の聴衆は酔いしれた。

 バンドネオン、ピアノ、バイオリン、ベースというタンゴ四重奏の演奏に、歌、ダンスを加えたコンサート。古典タンゴやオリジナル曲、現代タンゴ風にアレンジした「月の沙漠」を披露した京谷さん。その卓越した演奏力は本場アルゼンチンでも知られる存在だ。

 大阪出身。高校時代から兄の楽団でバンドネオンを始めた京谷さんは、20歳の時、早川真平に誘われて上京した。嘆き、郷愁、街のドラマ…。「喜びや人生の厳しさなど、1つの曲の中にドラマが詰め込まれているタンゴ。奥深い歌詞で詩的に歌われている」と京谷さん。歯切れのいいバンドネオンの響きについては「強さの中に哀愁のある音色。自然なビブラートがついていて、人間くさいものが感じられる」と笑う。

 早川率いるオルケスタ・ティピカ東京といえば、50年代の空前のタンゴブームをリードした人気楽団だ。キャバレー、ダンスホールには必ずタンゴバンドが入っていた時代。「新宿では歌舞伎町の広場を中心に、一晩で5つの楽団が演奏していたほど。歌手の菅原洋一さんがヒットする前の『知りたくないの』をよく歌っていた」と京谷さん。周囲がベテランの中、1年後には第1バンドネオン奏者に指名され、必死に腕を磨いた。

 70年代半ばに独立し、自分らしい活動を模索した。映画音楽や久石譲との仕事などにも恵まれたが、「タンゴ一筋。音楽的にはぶれなかった」。80年代初めには歌手復帰した「タンゴの女王」藤沢嵐子らと五重奏を組んだことも。85年に本場アルゼンチンに渡り、修業を積んだ。

“巨匠”からエール
 京谷さんにとってピアソラは同時代に生きる憧れだった。古典タンゴの時代に、ジャズやクラシックの要素を融合し独創的なタンゴを発表したバンドネオン奏者。本国アルゼンチンでも好き嫌いは分かれるが、「素晴らしいものには時代は関係ない」と京谷さん。50年前、初めてレコードで初期作品「プレパレンセ」を聞いて以来魅了され、レコードが出るたびに買い集めた。

 82年、敬愛するピアソラが初来日し、「近い将来アストル・ピアソラのライバルとなるコウジへ!素晴らしい音楽に乾杯!」というメッセージをもらった京谷さん。計4度来日したピアソラとは食事をする仲になり、緊張感のある生のステージに見入った。作曲でも影響を受け、ピアソラに思いをはせて作った「レコルダシオン(回想)」や「いつもブエノスアイレスに」は、「タンゴの魂を持つ曲」と評価されるほど。

 近年は自身のクァルテート(スペイン語で「四重奏」)を中心に活動する。4月、横浜で開かれるコンサートでもタンゴ四重奏の音色が響く。古典から現代タンゴまで幅広い世代が楽しめる選曲。「アンサンブル楽団のオルケスタに対し、小編成はアレンジ次第で各楽器の自由度が増す。その分、演奏者の水準が求められる」と笑うだけに演奏・歌・ダンスと3拍子そろった円熟のステージが楽しみだ。

 「ステージでは全身全霊を込める。情熱を持って、いかに自分の内面を引き出せるか」。職人かたぎの京谷さんの姿勢は昔から一貫している。「タンゴを理解したければ、キャバレーやダンスホールで毎晩演奏して“現場の垢”を身に付けろ」。京谷さんがピアソラから教えられた心構えは次世代へのエールだ。それがタンゴの味になり、感動を生む要素になるという。「僕は十分垢だらけ(笑)。でも今の若手は純粋培養だから内面が出てこない」と手厳しい。「タンゴの革命児」のイメージが強いピアソラ自身もタンゴの技術、古典への理解を重要視したことを挙げ、「基本は古典から始まる。新しいことをやるためには、基本の徹底が大事」と話す。

 アルゼンチン・タンゴを愛し、その精神を体現する京谷さん。基本を突き詰めた先に、共感と感動の音色が生まれると信じている。


昨年12月、千代田区で開かれたコンサートで演奏する京谷さん
京谷弘司クァルテートタンゴ
 〜早川真平とオルケスタ・ティピカ東京 最後の第一バンドネオン奏者〜

 4月23日(水)午後1時半開演、横浜みなとみらい(みなとみらい線みなとみらい駅徒歩3分)小ホールで。
 出演:京谷弘司、淡路七穂子、喜多直毅、田辺和弘ほか。曲目:「エル・チョクロ」「月の沙漠」「リベルタンゴ」「ラ・クンパルシータ」ほか。
 全席指定4800円。インターナショナルカルチャー Tel.03・3402・2171

【京谷弘司ホームページ】 www.kyotanikoji.com

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