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  東京版 平成25年10月上旬号  
物語の力は国境を超える  俳優・武田鉄矢さん

「最近、ものすごく感動したのは、横断歩道で男に切り付けられた男児3人を守ったおじいさんのニュース。現代の童話のように感じました」と武田さん。“星野達郎”ばりの熱血漢は健在だ
日中合作映画「101回目のプロポーズ」に特別出演
 バブルの余韻がまだ残る1991年夏に放映されたトレンディードラマ「101回目のプロポーズ」。同テレビ作品がこのほど日中合作で映画化され、10月に日本でも公開される。すてきなラブコメディーに仕上がった同映画に、22年前のテレビで主役“星野達郎”を演じた武田鉄矢さん(64)が特別出演している。日中関係がぎくしゃくしている中、中国での先行上映だった同映画は興行収入30億円、観客動員数660万人を超えるヒットに—。「物語の持つ力に国境はない、ということがあらためて分かった」と武田さんは話す。

 今回の映画にも、矢吹薫(浅野温子)の夫・星野達郎として出演している武田さん。「実は今、日中関係はうまくいってないから(中国での映画公開前は)ちょっとドキドキしていたんです」と胸の内を明かす。しかし、それが杞憂(きゆう)に終わったことで、「これが物語の持つ強みなんですね。(日中関係などの)難しい問題も、楽々とした別の解決策があるのではないでしょうか」と感じている。  映画「101回目のプロポーズ」(原題「101次求婚」)のストーリーはテレビ版とほぼ同じ内容。ニューヨークの摩天楼を思わせる上海の街並み。そこで繰り広げられる男と女の物語だ。

“違い”が面白さ生む
 内装業者のホアン・ダーは財力もなく、決してハンサムでもない40代の平凡な男。これまで100回近く見合いを繰り返し、相手の女性から断られ続けた。しかし、ひょんなことから知り合ったチェリストのイエ・シュンを思う気持ちだけは誰にも負けない。

 だが、イエ・シュンは3年前に結婚相手の男性が行方不明になったトラウマがあり、ホアンの気持ちが素直に受け入れられない。そんな2人に武田さんはチェロの恩師(矢吹薫)の夫・達郎として上海の店で会い、恋愛を後押しする—。

 2泊3日の上海ロケ。そこで武田さんが感じたのは台湾、香港、上海、北京から集まった映画スタッフの熱意の高さだった。

 「日本で生まれたこの物語を、いかに“自分の国”の物語にするかとすごく燃えていた。撮影現場はそんな匂いがしました」と話す。日本から見ると「上海も北京も同じ中国」。だが、「スタッフの人たちはそれぞれが別の国の人たちに見えました」と武田さん。

 「北京と上海のスタッフは言葉が通じていない様子だし、香港の人はついこの間まで自分たちは英国だったというプライドが強い。台湾の人たちは日本語ができるのは当然という顔をしている。もう呉越同舟のような状態でした。でも、それがいいんですね。『三国志』の魏、呉、蜀に倭(日本)が加わったみたいなところがこの映画の面白さなのでは」とにこやかに話す。

 全12回、放映時間535分のテレビ版と比べて映画は106分。時間が短縮されたことでかえってストーリー展開がテンポよくなった。かつてテレビで見た世代も、「アジアンテイスト」(武田さん)の新しい物語として楽しめる。

 「僕は死にません!」—。武田さん扮(ふん)する達郎が矢吹薫の前で走ってくるトラックを止めた時に叫んだ名セリフは今回、中国で人気と実力を合わせ持つホアン・ボーが再現。浅野温子に雰囲気がよく似たイエ・シュンを演じたリン・チーリンも台湾出身の人気女優だ。

背景に「バブル」
 「101回目のプロポーズ」が放映された当時の日本は、バブルがはじけて間もないころ。その余韻が冷めやらぬ中、都庁が丸の内から新宿に引っ越したのもこの年だった。

 同作品は最終回に36.7%の高視聴率を記録。その後台湾、香港、韓国などで放映されアジア圏の若者たちの間でも人気が高かった。2003年には中国・韓国合作でテレビドラマとしてリメークされている。それから10年後に、今度は映画版が中国でヒットしたのだが、その時代環境が日本、中国ともにバブルを経験したということで共通しているのは興味深い。

 バブルという時代背景は男女の結婚観にも大きな影響を及ぼす。女性たちは結婚相手の男性に高学歴・高収入・高身長の「三高」を求め、女性の関心を買うために男性は高級車に乗って高級レストランで食事をおごる—そんな風潮がバブル期には盛んになった。

 そんな時流に対し、「見てくれや条件よりも、誠実に愛してくれるかどうかの方が大事」というアンチテーゼを示したのが「101回目のプロポーズ」だった。日本でもそうだったが、中国でもそんな主人公の姿に共感が集まったのに違いない。

 バブル崩壊から20年以上がたった現代の日本。結婚しない男女も増えた。その時代背景について武田さんは、「皆さん、頭が良くなりすぎて、明日起きることを今日考えすぎるから。相手をはっきり確かめてから結婚しようとする。分からない部分込みで一緒になればいいのに、それを見届けようとするからなかなか決心がつかないのだろうと思います」と見ている。  そんな今の日本だからこそ22年後の「101回目のプロポーズ」のコメディータッチで描く純愛が新鮮に見えてくる。


© 2013 NCM FUJI VRPA HAM
「101回目のプロポーズ  〜SAY YES〜」
 監督:レスト・チェン、出演:リン・チーリン、ホアン・ボー、武田鉄矢(特別出演)ほか。106分。中国・日本映画。
 19日(土)から角川シネマ新宿(Tel.03・5361・7878)ほかで全国公開。

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