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東京版 平成24年1月下旬号
オペラの“敷居” 笑いで越える
オペラ歌手/錦織健さん
型にはまった音楽活動を嫌うが、「僕は意外と古風な人間」と錦織さんは語る。特にオペラに関しては、「ロッシーニ(19世紀)の時代、庶民に愛されたような舞台をお届けしたい」
自ら公演をプロデュース
“オペラの敷居”を笑いで越える—。オペラ歌手の錦織健(にしきおり・けん)さん(51)が自らプロデュースする「セビリアの理髪師」がこの春、全国各地で上演される。誰でも楽しめる「ドタバタ喜劇」。奇をてらった演出を避け、一流の歌手の歌を前面に出す。「(フィギュアスケートの)浅田真央ちゃんがお芝居の中で4回転ジャンプするような舞台」。冗談めかしながらもオペラの裾野を広げようという思いは熱い。「僕のオペラには普段着で来て」
錦織さんは“クラシック音楽の枠”にとらわれない。コンサートでは軽妙なトークを交え、ロックや唱歌もよく歌う。NHK紅白歌合戦(2000年、03年)をはじめテレビ・ラジオ出演が多く、バラエティー番組にも顔を出す。自ら「(クラシック音楽界の)異端を演じている」。笑顔を見せてこう続ける。「だからこそ実力がないと、ただの道化になってしまう」。連日の発声練習に多くの時間を割く。澄んだ声質のテノールは、50代に入った今も伸びやかさを失わない。
難度の高い技術も併せ持つが幼い頃、英才教育を受けたわけではない。島根県出雲市出身で両親は教師。母親は小学校で音楽を教えていたが、「小学生の時、音楽が(通知表の)『2』で、母に泣かれた」と苦笑する。
揺るがぬ「歌を最重視」
国立音楽大を卒業後、文化庁の在外研修員に選ばれ、ミラノ(イタリア)に留学した。「(海外では)新鮮な気分で音楽を楽しめた」。マイクを使わず地声を大劇場に響かせるオペラ歌手に「当時の自分にはないすごみを感じた」と回想する。その技術は「喉のアクロバットと言ってもいい」。自身のデビューは26歳と“遅咲き”だが積み重ねた練習が、数々の音楽賞受賞につながった。
1994年には「上質を知る人」のキャッチコピーで知られたコーヒーのテレビコマーシャルに出演し、知名度は“全国区”に。だが、「それで浮かれることはなかった」と断言する。自らを「常に最悪のことを想定するネガティブ人間」と評するだけに、「何か特色を出さないと、やがて埋もれてしまうと考えた」。クラシック音楽界の権威や慣習にあえて背を向け、「結構、反感も買ったかな…」とほほ笑む。
3つの鉄則
“甘い歌声”も人気の要因だが、日本のオペラの現状認識は甘くない。「一度も生のオペラを見たことがない日本人は(総人口に近い)1億2千万人ほど」。熱烈な愛好家がいる一方、「ファン層の広がりがない状態」と辛口だ。ミュージカルと同様、芝居と歌を同時に楽しめる上に、「声の究極が聴けるのはやはりオペラ」。その自負心が強いだけに、オペラ普及への行動は時に“ネガティブ人間”らしからぬ大胆さを見せる。
10年前から収益や配役に責任を負うプロデュースに乗り出した。「誰でも分かる喜劇」「オーソドックス」「一流の歌い手」。この3つが“錦織オペラ”の鉄則だ。前衛的な演出を否定しないが、「初心者向けの良質な公演が(日本は)意外と少ない」。歌を最重視する姿勢は「第5弾」を数える今年も揺るがない。「歌手自身がプロデューサーになる理由の一つはここにある」
「まるで吉本新喜劇」
2月から上演する「セビリアの理髪師」は、錦織さんが「まるで吉本新喜劇。理屈抜きに面白い」と言う演目だ。舞台は18世紀のスペイン・セビリア。町一番の美人に一目ぼれした伯爵は彼女に何とか近づこうとするが、彼女の後見人に邪魔され悪戦苦闘—。ストーリーは単純だが、歌い手に“超絶技巧”を求めるロッシーニの代表作とあって、「歌手に力がないと、ただの悪ふざけになりかねない」と口元を引き締める。キャストには森麻季(ソプラノ)ら日本を代表する歌い手をそろえた。自身も伯爵役で出演する錦織さんは冗談交じりに語る。「すごい声の持ち主ばかり。舞台では僕が冷や汗をかくことになるかも」
“旅のオペラ一座”を名乗り、都内2会場に加え全国9都市でも上演する。「映画を見るくらいの感覚で来てほしい」との思いから、料金はできる限り安く抑えた。コンサートで頻繁に地方に足を運び、潜在的なオペラファンの多さを肌で感じるだけに、「そこに働き掛ければ、日本のオペラを取り巻く環境は確実に変わる」。
新しい年も笑みを絶やさず前を見据える。
(C)三浦興一
「セビリアの理髪師」
3月18日(日)、同20日(火・祝)、東京文化会館(JR上野駅徒歩1分)大ホールで。両日とも午後2時開演。
出演:森麻季(ソプラノ)、堀内康雄(バリトン)、錦織健(テノール)、池田直樹(バス/バリトン)ほか。
演出:十川稔、音楽監督・指揮:現田茂夫。S席1万4000円〜E席4000円。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
2月12日(日)には府中の森芸術劇場(京王線東府中駅徒歩7分)どりーむホールでも。午後2時開演。
S席1万2000円〜B席8000円。
ジャパン・アーツぴあ TEL.03・5774・3040
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