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  東京版 平成23年7月上旬号  
明るく人生の「終いじたく」  女優/中村メイコさん

洋服のスタイリングを自分でこなすほどおしゃれな中村さん。「暗い気持ちを吹き飛ばしたくて」とピンクに塗った爪もエレガントだった
“遺言エッセー”が反響
 2歳で天才子役としてデビューし、近年はNHK大河ドラマ「篤姫」にも出演するなど、息の長い活躍を続けている女優・中村メイコさん(77)。昨年、“遺言状”として出版した「人生の終(しま)いじたくだって気になるじゃない、死んだ後のこと。」(青春出版社)が15万部以上の売り上げを記録している。同書の中で「戒名や葬儀は不要、死ぬなら自宅ではなく病院で」ときっぱり明るく言い切る中村さん。愛着のある物にも「定年制を敷いて片付けました」。そして、残していく子どもに親が最後にできることを考えされられたという、最近お気に入りの映画の話まで聞いた。

 「どんな職業にも定年はあった方がいいと思う」と話す中村さん。「いつまでも第一線で出しゃばって頑張るよりも、身を引く方がエレガント」という持論がある。自分にも最近「精神的定年制度」を敷いた、という。

 「家中にあふれていた物をどんどん片付けて、今は全てのジャンルが半分ぐらいに減った。大変だったけれど、気持ちよかったですね」と笑顔。もちろん、手放し難いお気に入りもあった。

 「疎開先まで持って行ったお人形を片付ける時はつらいものがあったけれど、捨てられないならまず目に付かないように部屋から撤去して段ボールにしまいました。私が死んだら一緒に焼いてもらおうとお願いしたの」と、潔く行動した。


「人生の終いじたく だって気になるじゃない、死んだ後のこと。」(青春出版社・1470円)
「子に残せるもの」考える
 「テレビの試験放送の時代から」仕事をし、作曲家の神津善行と結婚後、3人の子どもを育てながら仕事を続けていた中村さんは、体も丈夫でどんなきついスケジュールでも平気だった。ところが昨年は猛暑ということもあり、いつもと疲れ方が違い、はたと気付いた。

 「あ、これが老化だわ、と。それを嘆くんじゃなく、しめしめ、正常なる老化現象が始まった、旅立ちの準備をしよう、と思ったんです」。それが、終いじたくや本の執筆のきっかけとなった。

 同書には、「病院で死にたい」「延命措置や身内の介護はお断り」「戒名はいらない」などなど、驚くほど率直に自身の考えをつづった。かわいいストッキングが大好きな中村さんだが、夫から「あんたが先に死んじゃったら、じいさんがパンストに埋もれて整理することになるんだぞ」と処分を懇願されたことなどほほ笑ましいエピソードも。

 形見分けには興味がない、という。食器も着物も一代限りで使いきるのが原則だと考えているとか。衣装持ちの母親を亡くしたときも、全て友人に譲り、後に引きずらなかった。

 「私の父(作家の中村正常)が生前、『僕たち夫婦が死んだ後、あなたのお父さんって嫌な人でした、とか、こんな迷惑をかけられました、と言う人は誰もいないよ。それだけが君に残してあげられることだ』と言っていたけれど、親が子どもに残せるものって、結局はそういうものなんだと思うの」と話す。

 最近見て感動した中国映画「海洋天堂」(9日公開)のテーマも「死後、親は子どもに何を残せるか」だ。病に侵され余命いくばくもない父親が、自閉症の息子の残りの人生を、周囲の人とともに整えていくストーリー。映画を見ながら、中村さんは長女で作家の神津カンナを18歳で留学先に送りだした時のことを思い出したという。

 「本当に寂しくて悲しくて心配で仕方なかったの。でも夫に『人間というのは親と暮らすよりもずっと長く他人と暮らすんだよ。だから親は寂しさを我慢して、子どもがどんな人とでも暮らしていけるように教育するべきなんだ』と諭されて、そうだわ、と涙をのんだんです」。結局、3人の子ども全員を留学させ、長男は画家となり現在スペインに在住している。

 「人生って最後まで何があるか分からないけれど、親として、人として何が大事なのかを考えながら生きていきたい。そんなことをこの映画を見て強く思いました」


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「海洋天堂」 中国映画
 泳ぐことが何よりも好きな自閉症の息子を残して、自分は逝かなければならない。施設は見つかった。後は生活のすべを教えていくだけ。そして…。
 02年に公開された映画「北京ヴァイオリン」の脚本家、シュエ・シャオルーが脚本と監督を兼任。その脚本に感動した国際的アクション俳優のジェット・リーが父親役を熱演。98分。
 9日(土)からシネスイッチ銀座(TEL.03・3561・0707)で上映。

◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 ペアチケット1組購入につき、100円を寄付するチャリティーチケットを発売。東日本大震災の被災地に住む発達障害者とその家族のサポートに使用。

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