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  東京版 平成22年5月上旬号  
“笑いの処方せん”届ける  落語家で医師の立川らく朝さん

口演で全国を飛び回る立川らく朝さん。「今の目標は『健康落語』100本。生活習慣病のリスクが高い海外でも口演したい」
 
   
「健康落語」を創作
 「一笑健康」の創作落語で病気を啓発―。落語家で医師(医学博士)の立川らく朝さん(56)は持ち味の「健康落語」で全国を飛び回る。あふれる健康情報や過度の健康ブームに振り回されがちな現代人を“健康難民”と名付けながらも、そんな人間の弱さやもろさを肯定するところから出発する。「人生の価値観が決まれば、何が健康かは自分で決められる」。穏やかな笑みで、今日も“笑いの処方せん”をお届けする。

笑いの効用
 「笑うと免疫状態が正常化して、がん予防になる。血糖値は下がるので糖尿病の改善につながるし、リラックス作用を促す副交感神経が優位に働いて血圧が下がるのでストレス解消にもなる。つまり生活習慣病の予防に役立つ。感動して泣いても、つくり笑いでも同じ効果があるんです」

 専門は内科医。予防医学の見地から長く動脈硬化症の臨床や人間ドックに従事し、現在は科学的・実証的に笑いを研究する「笑いと健康学会」理事という顔も持つらく朝さんは笑いと健康のメカニズムをこう解説する。

 適度なストレスは生活や心身のめりはりに必要だ。しかし、慢性的なストレス状態は高血圧や動脈硬化、心筋梗塞(こうそく)などの引き金にも。身の回りの健康情報に過敏になったり細かい症状の変化に一喜一憂したりと、自ら過度のストレス状態に陥る現代人も少なくないはず。病気以外の対象に没頭することで症状が改善したリウマチ性疾患患者の例もあるというだけに、「忘れちゃうのは困るけど気にしすぎは駄目。心の持ち方で病気はずいぶん変わる」と、らく朝さん。

「健康は心の持ち方次第」
 長野県出身のらく朝さん。上京した高校時代から寄席通いを始め、杏林大医学部在学中に落語研究会を立ち上げた。卒業後も年1回、OB寄席を開催。本業の忙しさもあって数年で自然消滅したが、「ずっと落語家になりたいと思ったまま医者を続けてきた」と振り返る。

 くすぶり続けた思いに火がついたのは40代半ば。立川志らくの開く「らく塾」に参加したのがきっかけだ。落語理論の講義や実技指導など「10年ぶりの落語で火に油を注いじゃった」。10歳下の志らくに無理やり懇願し、44歳で客分の弟子に。

 週1回、師匠の自宅に通い新作を仕上げていく生活。いつしかプロ入りを勧められるようになると「家族もいたし、前座になれば収入はゼロ」と今度はらく朝さんが迷う番。師匠から「医者をやりながら、かばん持ち免除の前座でいい」という助け船を出され、46歳でプロとして再入門。50歳の時、立川流家元の立川談志に認められ二つ目に昇進した。

 医師でもある立場を生かし、「ヘルシートーク」や「健康一人芝居」など新ジャンルを開拓してきたらく朝さん。一貫したコンセプトは「笑いとともに楽しく健康情報を提供する」。中でもさまざまな病気をテーマにした「健康落語」は出色。糖尿病の入院患者が内緒(ないしょ)で好きな物を食べようと相談する「内緒の晩餐(ばんさん)」、エクササイズを義務付けられたずぼらなサラリーマンの奮闘記「メタボの壁」など持ちネタは約30作。一般的に「健康情報=(イコール)面白い」という評価が得にくいところ、「健康落語は楽しいのに、ためになる」と聴衆からは好評だ。

 医師がスライド映写機や図表で病気を説明するのに対し、らく朝さんの道具は客の想像力。「イマジネーションをホワイトボード代わりに利用して、例え話で骨粗しょう症や糖尿病を身近なものに置き換える」。本音で生きる“落語の住人”に聴衆の視線を導くことで、「自分の問題として考えてもらい、病気に関する啓発や行動につなげたい」と、らく朝さん。「メタボの人でも食べたいのだから、まずはその気持ちを全部肯定し、そこから落語に仕立てていく。でないと、聞いている方が苦しくなっちゃう」

 現在も二足のわらじを履くらく朝さん。「医者としては不定期の外来患者を診る程度」と仕事は落語家中心。「自分の存在価値をかけて高座に上るのでかなりのストレス」と力を込める分、「笑ってもらえたときはホッとする」と安堵(あんど)の笑みを見せる。「笑顔は相手への気配り、コミュニケーションの基本」と考えるだけに“笑いの診察”がうまくいった瞬間だ。

 らく朝さんは、健康は「幸せ」と同じく「本人の心の持ち方」の問題と考える。「~しなければ駄目」というがんじがらめの健康法に縛られるのではなく、「多少肝機能の悪い人でも晩酌の1合で幸せを得るなら、1合飲めるだけの肝機能があればいいと思うし、休肝日を作るなど必要な健康管理法も分かってくる」とほほ笑む。「その人の健康観は、つまり人生観のことなんです。自分は何ができたら幸せかを決め、その生き方を約束してくれる体があればそれは健康。自分の人生にとっての健康は、自分で決められるようになります」


立川らく朝 撮影:井村淳
 
らく朝@健康落語
 6月25日(金)午後7時開演、成城ホール(小田急線成城学園前駅徒歩4分)で。

 立川らく朝オリジナル「健康落語」の独演会。健康落語2席、「健康質問コーナー」などユニークな内容だ。

 全席自由、前売り2000円(当日2500円)。

(株)グリーンワールドらく朝プロジェクト TEL03・6661・8832
http://rakuchou.jp/

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