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  東京版 平成19年11月上旬号  
“能動的”に生きるたくましさを知った  俳優/中井貴一さん

天国の親父に土産話をたくさん持っていけるように生きていきたいと思いました
 
 俳優の中井貴一さん (46) が主演した日中合作映画「鳳凰 わが愛」が公開中だ。中国語での主演というハードルに加え、日本人俳優として初となる海外作品プロデュースにも力を注いだ。中国での撮影経験で「"能動的" に生きるたくましさを知った」と振り返る中井さん。

 父である俳優・佐田啓二の背中を追って歩んできたそれまでと違い、30代後半から意欲的に道を切り開いてきた。映画を通して日中に横たわるさまざまな困難を乗り越えてきた今、鳳凰 (ほうおう) のようにさらなる飛躍に向かって羽ばたく。

日中合作映画で主演
 佐田啓二の享年をこえた8年前あたりから、俳優・中井貴一の人生は新しいスタートを切った。「レールの上をなんとなく歩くのではなく、天国の親父に土産話をたくさん持っていけるように生きていきたいと思いました」

 ドラマや映画でアジアの俳優と共演する機会が増え始めたのもこのころだ。俳優として未知の世界に挑戦することが多くなった。11月から公開中の日中合作映画「鳳凰 わが愛」では、主演のほかに日本人俳優としては初となる海外作品プロデュースに挑戦した。

 「鳳凰 わが愛」は、清の崩壊、太平洋戦争、内戦の起きた中国激動期に、刑務所内で出会った男女の運命を描いた一大叙事詩だ。未来に絶望している男囚リュウ・ランと女囚ホン。彼らはいつしか互いの存在を孤独な日々の支えとしていく。せりふは少なく、2人の表情が言葉以上の思いを訴えかける。

 中井さんにとって本作は、6年前に参加した中国映画「ヘブン・アンド・アース」以来、2度目の中国映画となる。

アジア全体で盛り上げ
 前回出演時はまるで勝手が分からず、かなりの消化不良感が残ったという。その経験を生かし、本作ではプロデュースを手がけた。

 脚本、ロケハン、ホテル選び、ロケ時のトイレの発注に至るまで気を配り、少しでも時間があけば北京へ飛び、ミーティングに参加した。日本人が見てもわかる描写、せりふ運びになるよう配慮した。どうすれば役者やスタッフの動きが円滑になるか、俳優ならではの視点で見極め、準備を進めた。

自分から発信する
 「海外で仕事をすることで自分から発信していく強さを得たと思います」と静かに話す口ぶりから、困難を越えたことによる充実感が感じられる。

 こんなエピソードがある。撮影中、スタッフの夕食が少なかったことがあった。周囲に店はなく、予算もあまりない。そこで羊を一頭買ってきてさばき、スープにして食べた。

 「まだまだ物資が豊かではない中国では、知恵を使って "能動的" でいないと生きていけないんですよ。日本人でもぼくの両親の世代はそうした体験をしていると思いますが、ものすごくたくましいことです。今の日本だとどうしても "受動的" に生きてしまっていますから」

国境の "壁" 壊れる
 2度にわたる日中合作映画の出演によって「映画人」として中国といい関係が持てるようになってきたという。若いスタッフとの間には反日感情の問題もあった。だが「一見、乗り越えられないような問題があっても、『自分たちと同じ経験をしているんだ』と思ってもらえれば、徐々に壁は壊れていきます。最初のころと全然違う笑顔を見せてくれると本当にうれしいですね」とほおを緩める。

 今後も「アジアでひとつとなって映画を盛り上げる夢に向けて、交流を続けていきたい」と語る。日中合作映画「単騎、千里を走る。」の主演を務めた高倉健さんからも激励をもらった。

 「『貴一ちゃん、続けなさい。それがやっぱり大事だよ、あっぱれだと思うよ』と言ってくださいました。何事も継続しない限り意味がないですね」

 一般の2世タレントにはなかなか見られない自らの道を切り開いていくたくましさが、全身にみなぎっていた。中井貴一という俳優なら、国境も飛び越えていけそうだ。鳳凰のように、軽々と。


  『鳳凰 わが愛』
監督 : ジヌ・チェヌ
出演 : 中井貴一、ミャオ・プゥ、グォ・タォ
日本・中国共同製作映画、上映時間121分
恵比寿ガーデンシネマ (TEL:03-5420-6161) で公開中
ホームページ : 鳳凰 わが愛 (外部サイト)

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