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  東京版 平成19年6月下旬号  
「映画の代表作できた」   俳優/笹野高史さん

15、14、12、10歳の4人の息子も俳優。「息子たちとの触れ合いが一番の息抜き」と笑顔を見せる笹野さん
 
「武士の一分」で数々の受賞
 ヒット映画「武士の一分」が早くもDVD化され、1日に発売された。同作で、木村拓哉さん演じる下級武士、三村新之丞に仕える徳平を演じた笹野高史さん (58) は、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した。舞台俳優として高い評価を受けてきた笹野さんは、実は故渥美清にあこがれ映画俳優を目指して役者の道を選んだ。長いキャリアを経て、ようやく「映画の代表作ができた」と喜びを語る。

 「男はつらいよ」「学校」「釣りバカ日誌」と山田洋次関連作品には常連の笹野さん。だが、「武士の一分」の徳平のような大きな役は初めて。失明したあるじを支え、一度は壊れた新之丞夫婦のきずなを再びつなぐ、大事な役。そして観客のちょっとした笑いを誘い、その後の感動を引き立たせる役割もある。

 最初、笹野さんは「わたしでいいのか」と思ったそうだ。「新之丞の親代わりであり召し使い」という難しい立場の徳平。「いつも見ている」をキーワードに木村さんを撮影外でも注意深く見て、心を読んで役作りをした。結果、主人と絶妙なやりとりをする、かけがえのない召し使い・徳平が出来上がり、数々の映画賞を受賞した。

 街で若い人にも「徳平さん」と声を掛けられるようになった。「映画で代表作ができました。舞台の仕事が多かったので、『舞台俳優』と言われてきました。分類することはないけど、もともと映画俳優にあこがれていたものですから」と感慨深げ。

 子どものころから、映画好きの母親に手をひかれてよく映画を見に行った。中学生になると毎週映画館に通った。映画俳優にはあこがれていたが、「長身で見目麗しくないとだめ」と思っていた。

渥美清にあこがれて 評価受け念願の共演
 「ところが渥美清さんという型破りな映画スターが、ぼくも映画俳優を目指していいんだと思わせてくれました」と笹野さん。

 しかし笹野さんの夢を知った兄は反対。笹野さんは「映画監督になる」とうそをついて、兵庫県から東京の大学に進学した。

 大学時代から参加していた劇団「自由劇場」で、23歳から本格的に俳優の仕事をスタートさせた。舞台「上海バンスキング」バクマツ役で人気を集め、独立して舞台、映画、テレビと幅広く活躍。そして37歳で、「男はつらいよ」36作目に出演した。「渥美さんと共演したことで、だいぶ満足しました」

 
渥美の推薦知る
 「男はつらいよ」出演は、プロデューサーの推薦で山田監督が笹野さんの舞台を見に来たのがきっかけだと聞いていた。だがことし別のプロデューサーに「最初に笹野さんを山田さんに薦めたのは渥美さんだよ」と言われた。「そーだったのか渥美さん」。涙が出そうになった。「渥美さんは映画や演劇をたくさん見ていらして、ぼくのこともよく見てくださっていたんでしょうね。シャイな人だから『芝居見たよ』なんて言わなかった」

 「おもしろいねえ、笹野ちゃん。おいしいところすっとやって、すっと帰る。おれもねえ、本当はそういう役者でよかったんだけどね。知らない間にこんなになっちゃったよ」。笹野さんは渥美清の口調をまねる。

 「わたしは自分のことを『ワンシーン役者』と言っているんですけど、渥美さんがそんなふうに後押ししてくれたのをずっと覚えていて。ワンシーン役者っていうのを胸張って自慢しているんです」

見た人の人生左右
 渥美に影響されて俳優を志した笹野さん自身も、演技で人の人生を決めたことがある。舞台の代表作「上海バンスキング」がテレビ放送された時、笹野さんが猛特訓して実際に吹いたトランペットを「格好いい」と思った中学生の少年がいた。何年かたって、舞台公演の楽屋にその男性が訪ねてきた。「笹野さん、やっと会えました」と言って渡した名刺に「トランペッター」と書いてあった。「涙が流れましたね」

 人に感動を与える演劇など、創造の世界の人間は、「ちゃんとしていないとちゃんとした人間を描けないと思う」と語る。「よこしまな考えを持っていたら、画面に出ちゃうんだよ。だから精神は自分で律していないと」。一つひとつの質問に、丁寧かつ、はっきりと答える。演技で人を笑わす笹野さんの裏側にある、真摯 (しんし) な姿勢が見える。

団塊の世代の今後に注目
 "団塊の世代" の笹野さん。同世代の「第2の人生」の過ごし方には「注目しているんだ」と話す。

 「わたしも俳優としていつまでやっていけるかわかりませんしね。参考にしたいです」と言いつつも、やってみたい役もいくつもあるしドキュメンタリー映画の監督にも挑戦してみたい、という。「車1台にカメラを積んで、動物とか対象物を追っかけるっていうイメージはあるんです」。当たり前だと思っていたものに、新しい視線を提供できるような、そんな作品を作りたいと。細く長く、ハングリー精神を持って続けていきたいと語った。

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