滝本さんが我書アートの「ワークショップ」を始めたのは03(平成15)年。「一人ひとりの思いは違う。わたしは(参加者が)内面を見つめるお手伝いをするだけ」。かつてはひた隠しにした過去も話す。 「欠点や負の感情を見つめることから、内面の変化が始まる。わたしの経験が役に立つのなら」。若者もいるが、参加者の多くは中高年だ。開催数は全国各地で数百に上り、幾度も参加する人が少なくない。 ワークショップ1回に割く時間は6時間余り。参加者も10人程度に抑えており「ビジネスにはなりにくいですね。貧乏神とは今も同居中」と笑う。実際の同居者はインコの「チュウ」。「13年間一緒に暮らしています」と笑みを浮かべた。 創作活動を通し「感謝の心」を育てた滝本さんも、強い悲しみには心が揺らぐ。しかし「今は現実を受け入れ、前向きに進んでいます」。最近は墨と刷毛(はけ)で創作する独特の「コンシャス(意識の)アート」にも情熱を注ぐ。 「人間は言葉にできない何かをたくさん持っている。その何かを表現したいのです」 2人の弟と、昔のつらい話を笑いながらできるようになった。昨年春、がんの父親の最期をみとった。78歳の母親とは今、笑顔で話ができる。
『我書アート ワークショップ』 日時 : 21日(水・祝)、午後1時半〜午後8時(休憩込) 場所 : 渋谷区内 参加費 : 1万6000円(軽食、材料費など込み)※作品を額に飾る額装を希望する人は別に4000円必要。 問い合わせ : (TEL)090-6542-6551(田中) ホームページ : http://washoart.com/