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横浜・関内の社屋ビルにある個人オフィスで |
昼はサラリーマン、56歳で再デビュー
「青春はたった一度だけではない」と歌う南部なおとさん(64)。20代でグループデビューするも、30代で大手生命保険会社のセールスマンに転身、2007年に56歳にして「盛春歌」をリリースして再デビューを果たした異色の存在だ。昨年10月には第5弾となる「盛春の歌(夢は果てなく)」を発売。「私の歌は熟年世代の応援歌。今までよく頑張ったね、という励ましと前向きな気持ちを届けたい」と話す。
ジャズギタープレーヤーを目指して18歳で福井から上京、25歳で「南部直人とラブロマンス」として日本コロムビアからメジャーデビューした南部さん。その後数枚のレコードを出すも、カラオケの普及などで行き詰まりを感じ、34歳で生命保険の世界に飛び込む。
営業を始めてしばらくたったころ、取引先の企業の納涼会でギターの演奏を頼まれ、引き受けたところ大成功。評判が人脈の広がりを後押しし、以後、トップセールスを維持してきた。
「モットーは、諦めないこと。ポジティブでいること。あまり考え過ぎずに、(元巨人の)長嶋さんみたいに直感で動きます(笑)」
保険の仕事と並行してライブ活動も続けていたある日、保険の取引先の社長から「歌詞ができたので見てほしい」とファクスが届いた。紙には、力道山の空手チョップや長嶋野球に憧れ、石原裕次郎を気取った自分たち“盛春世代”への思いがつづられていた。
「コミカルでとても良い詞だったので、曲を付けてライブで歌い始めたんです。それが『盛春歌』です」
「盛春歌」には途中せりふのパートがあり、ライブではそのせりふに合わせて“そうだ ! ”コールで会場が一体となる。
「盛春歌」は、営業の人脈でとんとん拍子にCD化が決定。56歳で3度目のデビューとなった。
「若い時と違って、ヒットさせよう! というがむしゃらさではなく、伝えたい、共感してもらいたい、元気を出してもらいたいという気持ちが軸です。ヒット曲を出すのは宝くじを当てるようなもの。身構えず、肩の力を抜いてやっています」
伝えたいのは、「若い時だけが青春ではなく、夢を持って働いているうちはずっと盛春だ」ということだと言う。
壁があるのが、人生
「人それぞれ、さまざまな試練があったと思う。けれどそれを乗り越えてきた熟年の人たちに、今までよく頑張ってきたね、これからもとにかく前向きに生きようよ、というメッセージを込めて歌っています」と南部さん。
30年に渡り、保険でトップセールスを維持し続けている南部さんであっても、「これまでに眠れないぐらい悔やしいことはたくさんありましたし、今でも全てが自分の思い通りに行くわけじゃないことは日常茶飯事」と言う。
「でもそれが当たり前だし、そう思わないと駄目だと思う。壁があるのが人生」とも。
南部さんの公式ホームページからは曲のPRのために作制したビデオが見られる。
「新曲の『盛春の歌』は、アニメーションを織り交ぜました。ストーリー性のある歌なので、紙芝居を楽しむように見て、聴いてください」
※ホームページは「南部なおと」で検索。 |
バレンタインデー 歌謡ステージディナーショー
14日(土)午後5時半、東天紅上野店(地下鉄湯島駅徒歩3分)で。
出演者は「Jソングアワー」でおなじみの南部なおと、大樹ゆたか、幡千恵子ほか。
1万6000円(料理、ドリンク込み)。問い合わせ・申し込みは Tel.042・482・6957 |
「Jソングアワー」は毎週月曜、午前8時半〜9時、千葉テレビで放送中。 |
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