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「目指せ、アクティブシニア」 お茶の水女子大学名誉教授・袖井孝子さん |
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「高齢者こそ社会の支え手に」と話す袖井さん |
19日に川崎市で講演
「目指せ、アクティブシニア」を標語に活動する一般社団法人シニア社会学会の会長でお茶の水女子大学名誉教授の袖井孝子さん(75)は、19日(水)に川崎市中原市民館で講演会「人生、いつでもいつからでもスタート」を行う。「昔は、老人問題=女性の問題で、介護をどうするかが大きなテーマでした。でも現在は男性の老後の過ごし方が問題になっています」と袖井さん。「これだけ高齢者の人数が多いのですから、がんばって社会の支え手になってみませんか。ボランティアにしろ、経済を回すにしろ、高齢者が社会の支え手にならなくては。アクティブな人生の方が楽しいですよ」と促す。
昔に比べて、現在の高齢者は肉体的にも精神的にも元気だ。
「ですからアクティブに過ごす方が楽しいと思います。そして活動している方が健康にもよく、医療費もかかりません。実際、地域活動が盛んな場所は、医療費が少ないのです」
同じ年齢でも女性は何かしらやることがあり、また見つけることができるのに対し、男性は会社以外での付き合いは苦手で、地域にもなじみにくい。
「孤立死の8割は男性といわれています。男性の老後の過ごし方は難しい。だからこそよく考えなくては。家事も全部奥さん任せではいけませんよ」
袖井さんの長年の研究や観察によると、高学歴で管理職にあったサラリーマンほど、老後の過ごし方が見つけられないという。プライドが邪魔をして、輪の中になかなか溶け込めないのだ。
「肩書きにこだわってはだめですよ。“こんな人達とは話が合わない”などと言ったりしないこと」と厳しい意見も。
活動の目的は、お金より、やりがいがある方を選ぶこと。今日することがあることが大事なのだ。“活動場所が見つからない”という人は、まず自分の住む市や区の広報紙を見てみよう。袖井さん自身も、1年前から区の広報紙で見つけた詩吟を習っている。
「夫に誘われてなんとなく、という始め方でしたが、試しにやってみたら楽しかったです。月2回のレッスンにはさまざまな人がいて面白い。飲み屋のママとか、商店街の方とか、今まではお付き合いのない方との交友関係が広がったのが一番の収穫でしたね。食べ物屋のことや地域のイベントなどの情報交換をしたりしています」
また、袖井さんは大学に行くことも薦める。それも短期間ではなく、長く続けて勉強できるものを選んだ方がいいと断言する。
「若いころは就職に有利だからとか、親に言われたからと学部を選びがちですが、今なら本当に好きなことを勉強できるでしょう。本当に好きなことなら楽しいと思います。わたしが教えている立教セカンドステージ大学にもシニアがたくさんいらしていますが、みなさん熱心。遅刻もしないしパソコンもマスターして、素晴らしい。自主的にさまざまな委員会に参加し、ニュースレターも作ったりと楽しそうです。若者と一緒に勉強するとお互いにいい刺激になります」
19日の講演会では、夫婦や親子関係の見直しのこと、次世代に伝えたいことなども話す予定だ。 |
シニア支援 講演会 「人生、いつでもいつからでもスタート」
19日(水)午後2時(1時半受け付け開始)〜4時、川崎市中原市民館(JR武蔵小杉駅徒歩3分)2階視聴覚室で。参加無料。当日先着55人。
問い合わせは Tel.044・733・6626 |
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