本職は建築家の大倉さん。「桂離宮などを見ていると、建物は庭の付随で、本来のメーンは庭だと思います」と独自の哲学を持つ。期間中は、自身も豊かな緑を背にした庭を公開している。 ことしで8回目となるオープンガーデンだが、これまで試行錯誤することも多かったという。オープンガーデンが始まった当初、参加するガーデナーを探したのも大倉さんだ。 「オープンガーデンは、人間関係なしではできません。長い目で見ることも必要です」と、成功の秘けつを語る。また、「多くの方が見に来てくださるのはありがたいのですが、観光地ではなく個人宅なので、厳しい批評や、トイレを借りること、人の家の前で大声で話すこと、立ち入り禁止区域に踏み込むことはやめて下さい。みなさんで楽しむために、くれぐれもマナーは守ってくださいね」とも。 5月19日には、NHKなどにも出演するガーデンデザイナー井田洋介氏とともに「おおいそオープンガーデン」を回るツアーも開催する。プロによる解説を聞きながら、歩いて各庭を巡るもので、午前と午後の部を予定している(各部、大磯プリンスホテルでの昼食付き)。 以前は大磯の“顔”といえる存在であった旧吉田茂邸(09年に火災で焼失)も、「ことしの秋に庭園の整備が完了し、公開することになりました。建物は2015年に復元予定です」。財界人が造り上げてきた庭園文化は、これからも町の人々が受け継いでいく。 オープンガーデンは町内に点在するため、地図を入手し、計画的に回るのがお勧め。問い合わせは大倉 TEL.090・1796・2102