「干支(えと)は?と聞かれると、いつも『猫年よ』と答えています(笑)」と茶目っ気を見せる草村さん
出演映画「レンタネコ」公開
映画「かもめ食堂」「めがね」に続く荻上直子監督の最新作「レンタネコ」が12日(土)から109シネマズMM横浜で上映される。レンタネコ、とは猫をレンタルすること。同作で、夫と愛猫に先立たれた老婦人を演じる草村礼子さん(71)。「笑いは最も静かな啓蒙(けいもう)運動。見てくださる方を元気にしたい」と話す。
草村さんが10代の時に入団していた劇団「東京小劇場」のスローガンは、「笑いは最も静かな啓蒙運動だ」。このモットーに沿って同劇団で16年間活動していた草村さん。今でも「見てくださる方に喜んでもらえるもの、元気になってもらえるものに出演したい」と話す。映画「レンタネコ」は、ふっと笑えて肩の力が抜ける、そんな作品だ。
猫との共演はいかがでした?
「みんなお利口さんでした。ただ、やっぱり生き物だから機嫌が悪いこともあって、カメラのある側を見たがらない時があったの。私がせりふを言いながらさりげなく抱っこしている猫をカメラの方に向かせようとすると、フーーーーッと怒ってたわ(笑)。画面をよく見ると、そんな様子が分かるかもしれません」と可笑しそうに振り返る。
劇中、「寂しいヒトに、猫、貸します。」というフレーズが出てくる。草村さんが演じるのも、立派なマンションに住みながらも、寂しさを抱えている老婦人だ。
当の草村さんは「私自身は、寂しい時ってあまりないですね。家事をして、仕事をして、その合間にボランティアをしているので、寂しがっている暇がないですね」。
草村さんが行っているボランティア活動は、車いす生活をしている人の手を取り、ダンス音楽に合わせてゆっくり揺れたり、スイングを味わってもらう「夢のダンス」。映画「Shall we ダンス?」に出演後も続けている社交ダンスを生かした活動だ。「音楽に合わせて私たちが手を取って体重移動をすると、みなさん顔が輝いてくるの。心が活性化するみたい」と草村さんも笑顔に。
演技の楽しさを初めて知ったのは中学生の時。友人の代役で出演した舞台で拍手をもらった時だった。「それまでは、父の死後、女手一つで私たちを育ててくれた母のように看護師になろうと思っていました」
その後、劇団を経て独立。地元・吉祥寺で行っていたひとり芝居などで注目を集めた。
「『レンタネコ』は人との触れ合いの温かさを描いた作品です。ぜひ楽しんで」
(C)2012 レンタネコ製作委員会
「レンタネコ」
監督:荻上直子、出演:市川実日子、草村礼子、小林克也ほか。110分。
12日(土)から109シネマズMM横浜(TEL.045・664・0109)ほかで上映。