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除菌カードでウイルスをブロック! 「ウィルスブロッカー」開発者の和氣清弘さん |
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和氣さんは被災地に作業所を設置した |
楽天・星野監督や北島康介も愛用
首からかけるだけで菌を撃退! 平塚市のエンブロイ(株)が開発した「ウィルスブロッカー」が全国で売れている。空間除菌と消臭の効果があり、多くの老人介護施設や病院などで利用されている。開発者の和氣清弘さん(72)は、「開発を手掛けてから約30年。あきらめずに続けていてよかった」と喜ぶ。過去に会社の倒産を経験している和氣さん。どん底から返り咲いた。
固形二酸化塩素を利用して周囲1立法メートルの空間を除菌し、消臭するウィルスブロッカー。昨年、中国・上海で開催された世界水泳に、日本チームはこれを持参。また、インフルエンザが大流行した今冬、プロ野球のキャンプ中に楽天の星野仙一監督が使用したことでも話題となった。
「二酸化塩素は水道水などの消毒に使われる塩素に比べて、2.5倍の除菌効果があり、また3倍の除菌速度で効果が出ます。持続力もあり、また何より、発がん性物質が残りません」と、その魅力を語る和氣さん。
首からぶら下げて使うウィルスブロッカー |
和氣さんが二酸化塩素の力に気付いたのは約30年前。東京で経営していた会社を整理し、紹介された研究者と共同で研究していた時だ。夏休みに家族で遠出し、車に酔った子どもが車内にもどしてしまった。あらゆる消臭剤を使っても匂いが消えなかったが、ふと思いついて二酸化塩素を希釈して使用したところ、一瞬にして匂いが取れたのだ。その消臭力に驚いた。
「それ以来、お金を貯めては原液を買い、独自で研究を進めました」。研究を進めるうちに、二酸化塩素には除菌効果があることも分かってきた。
そしてやっと安全性の高い二酸化塩素ガスを出すことに成功。その後、粘り強く介護施設や病院に営業に回った。機械を背負って暑い中、歩いたこともたびたび。「タクシー代も惜しくて」と思いだし笑いをする。
一般家庭用には、持ち運びが簡単な小型携帯タイプ(ストラップ付き880円)がお薦め。使い方は、ネームタグほどの大きさのものをストラップで首から下げるだけ。世界水泳で日本チームが利用していたのもこのタイプで、この夏に開催されるロンドンオリンピックにも提供するつもりだ。
モットーは「誠実」
ウィルスブロッカーは東日本大震災で被災した陸前高田市、東松島市、南三陸町に雇用創出を図って設置した作業所で袋詰めされている。使用することで復興支援にもつながるのだ。
「第25回東京ビジネス・サミット2011」で、200社以上の出品の中、ウィルスブロッカーは大賞を受賞。それを機に、遠くはポルトガル、また洪水の被害の大きかったタイなどから注文が寄せられている。現在は新商品を開発中だ。「でも」と和氣さん。
「これ以上大きな会社にするつもりはありません。小さくていいから信頼され、質のいい商品を出す誠実な会社に、をモットーに今後も尽力していきます」
問い合わせはエンブロイ(株)フリーダイヤル0120・979・714 |
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