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ガイドフォトエッセー「井形慶子の暮らすように旅する英国コッツウォルズ」を出版した井形慶子さん |
“毎日の生活を丁寧に”
20年以上にわたりイギリスの暮らしをテーマにした情報誌「ミスター・パートナー」の発行を手掛る傍ら、イギリスについてのエッセーを多数執筆している井形慶子さん(52)。昨年12月に、ガイドフォトエッセー「井形慶子の暮らすように旅する英国コッツウォルズ」(宝島社)を出版。また、3月2日(金)には神奈川近代文学館で講演会「コッツウォルズの家に学ぶ〜英国リフォームの楽しみ方」を開催する。「古い景観の美しい村の中に、高齢者の方が自分の両足できちんと立って生活している。庭仕事からボランティアからやることがたくさんあって、毎日の生活を丁寧に紡いでいる人達が暮らす街、それがコッツウォルズです」と井形さんは魅力を伝える。
2000年から毎年開催している「井形慶子と行く」コッツウォルズのツアーには、毎回60、70代の女性が多く参加する。いまやロンドンを抜く人気観光地であるコッツウォルズ。東京都とほぼ同じ大きさに100近い村が点在し、手つかずの自然や古い街並みが残っている。そして何よりの魅力は、「そこに暮らす人々によるコミュニティー(地域力)にあります」と井形さんは言う。
発展より成熟を選び、ボランティアや庭仕事などに精を出す人々。
「コッツウォルズでは家にどんどん人を招く習慣があるから、家の中でもきちんとした格好をしています。独り暮らしをされているお年寄りの古い家のリビングにアンティークがきれいに飾ってあったり、とにかく自分の足で立って、美しい生活をしている。ツアーのお客さまは、そういった生活場面に出会ったときに感動されていますね」と話す。
地元のパブでハムに舌つづみ
昨年12月に出版した著書「井形慶子の暮らすように旅する英国コッツウォルズ」には、17の村のアンティークショップや、香水や靴、ジュエリーなどを作る工房、ストリートマーケットや地元の人が集うパブなどを掲載した。なかでも、おいしい食事を出すパブの選出には力を入れた。
「コッツウォルズは農業地帯なので、野菜も肉もお菓子も本当においしいです。でもガイドブックに載っていないので、これまではなかなか行くことができなかった。この本にはとっておきのお店を掲載しました」
なかでも井形さんのお気に入りは、ブロックハンプトンという村にあるパブ。
「本当に小さい村にパブが一軒あるだけなんですが、とにかく村のハムとアスパラガスがおいしいの。本物のハムってこんなにおいしいんだ、と感激しました」と目を輝かせる。偶然この近くの村で取材があった時に、地元に詳しい運転手が連れていってくれたのが縁だとか。肉汁にあふれたピンク色のハムは、写真で見ているだけでもおいしそう。
年に4、5回渡英し、取材には膨大な時間とお金を掛けている。足で探した情報にうそはなく、「イギリスの出版社から、記事について問い合わせが来るくらい」だという。
5月には、井形さんと行く、コッツウォルズの家とアンティークフェアをめぐるツアーを予定している。
「以前の参加者の方で、ツアーが終わったらケアホームに入ろうと思っていらした方がいたんですが、やっぱり考え直すとおっしゃっていました。まだ自分で暮らしていけるんじゃないか、まだやることがあるんじゃないか、と気付かれたそうです。他にもお店を始めた方、ホームステイを始められた方など、コッツウォルズで覚醒された方はたくさんいらっしゃいます。そんな魅力がコッツウォルズにはあるんです」 |
「井形慶子の暮らすように旅する英国コッツウォルズ」
(1365円・宝島社) |
〜井形慶子と行く〜
美しいコッツウォルズの家々とカシミヤ街道・アンティークフェアをめぐる旅
5月28日(月)〜6月5日(火)。問い合わせはコ ッツウォルズ・ウィンド・ アカデミー
TEL.03・6304・7330
■講演会■
3月2日(金)午後1時半、神奈川近代文学館(みなとみらい線元町・中華街駅徒歩8分)で。問い合わせは TEL.03・3352・8107 |
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