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理想郷見つけた! 憧れの田舎暮らしを楽しむ 港北区/下田重夫さん、恭子さん |
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新緑のテラスでくつろぐ下田さん夫妻 |
横浜市港北区に住む下田重夫さん(68)・恭子さん(67)夫妻は、6年前に栃木県芳賀郡茂木町に購入したセカンドハウスと横浜の自宅で月の半分ずつを過ごしている。戦争で両親を亡くし、児童養護施設で育った下田さんにとって、茂木はずっと手に入れたかったあこがれの“故郷”だ。「この年になって故郷を持つことができてとても満足しています。孫に田舎暮らしの体験をさせてあげられるのがうれしいです。10年をめどに、目いっぱい楽しむつもりです」と笑顔で話す。
孫がイモ掘り、仲間の輪も
茂木に家を買ったのは、妻が定年した6年前です。ずっと「いつか田舎暮らしをしよう」と話していて、雑誌を見たり、直接現地に行って探していました。ある時、「月刊ふるさとネットワーク」という雑誌に載っていた栃木の家が気になって。週末に車でふらっと見に出掛け、すぐに決めました。うっそうとした道が突然ぱっと開けた場所に家があったんです。まるで映画「千と千尋の神隠し」のオープニングのようでした。
—戦争で両親を失い、2歳から児童養護施設で育った重夫さん。中学を卒業後、いったん家具店に就職。その後、福祉施設に勤めながら20歳から定時制高校に通い、その後大学へも進学。恭子さんとは福祉施設で出会い、結婚した。
共稼ぎだったので、夏休みになると2人の子どもだけ妻の実家の福岡にやって預かってもらっていました。そうやって子どもには自然に触れる機会を作ってあげることができたので、今度は孫にも田舎暮らしをさせてあげたくなりました。都会では遊べる空間が狭いでしょう。実際、孫はしょっちゅうは来られないけれど、たまに来るととても楽しんでいますね。この前は初めてのイモ掘りをして、喜んでいましたよ。
—下田さんが所有するセカンドハウスのある集落では、年に1度、道の側溝を掃除することが決まりとなっている。溝に落ちた土をすくってきれいにし、脇に生えている草を処理する。町中総出で1日がかりで取り組み、夜は宴会となる。
この掃除には、移住した人も、たまにしか来ない人も関係なく参加します。重労働なのでこれが苦痛な方もいるようですが、こういった苦労を共有して友人が増えていくんだと思います。
下田さんの田舎の家。春はさまざまな花が新緑が楽しめる |
自ら人の輪に飛び込むのがこつ
わたしは元々人見知りをしないので、自分から人の輪にどんどん飛び込んで行きました。草刈りがしたくて、地主さんにお願いしてやらせてもらったり(笑)。むこうもすぐ打ち解けてくれて、孫が遊びに来る、とわたしが言うと「じゃあベランダに手すりを付けよう」という話になって、みんなで材料を持って来てくれたり。まきストーブの設置も手伝ってくれたし、まきも近所の人が分けてくれています。
—すっかり田舎暮らしを楽しんでいる下田さん夫妻だが、茂木に移住するつもりはない。
田舎暮らしには車が不可欠ですが、いつまでも運転できるとも限らないし、田舎暮らしは体力がいります。なので購入当時はとりあえず10年でひと区切りにしよう、と目安をたてました。
わたしは戦争孤児ですし、ずっと故郷がありませんでした。でもこの年齢になって茂木という故郷を得ることができた。とても満足しています。田舎ではやることがたくさんあるので、常に動いていて健康にもいいですね。そうじゃないと昼間からお酒を飲んでいるかもしれません(笑)
—天涯孤独で家族と暮らした経験がなかったため、「結婚するまでに少し躊躇(ちゅうちょ)があった」と下田さん。しかし恭子さんとともに充実した人生を送ることができた。当時を振り返って、「過去の出来事にとらわれて未来をあれこれ案じるのは、意味がないことですね」と恭子さんは笑う。長年支え合い固い絆で結ばれた2人は、第2の人生を心から楽しんでいる。 |
セカンドハウス探しは情報誌で
会員向け情報誌「月刊ふるさとネットワーク」では、様々な物件を紹介している。問い合わせはふるさと情報館 TEL.03・3351・5601 |
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