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“サムライ化学者”高峰譲吉の妻を演じて 歌手のナオミ・グレースさん |
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「今度はミュージカルにも挑戦してみたい!」と話すナオミさん |
アメリカの首都ワシントンのポトマック河畔にある桜並木の寄贈の裏で活躍した日本人がいる。彼の名は高峰譲吉。消化薬のタカヂアスターゼを発明し、止血剤のアドレナリンの結晶抽出に成功した化学者である。また譲吉はアメリカ人女性と公式では初めて国際結婚した。現在上映中の映画「さくら、さくら—サムライ化学者 高峰譲吉の生涯—」で譲吉の妻キャロラインを演じた歌手のナオミ・グレースさん(47)は偶然にもワシントン生まれ。「譲吉は日本の誇り」と語る。
「譲吉は日本の誇り」 アメリカ人の父と日本人の母を持つナオミさん。13歳でモデルとしてデビューした。映画出演は本作が初。日米の壁にぶつかりながらも、研究に没頭する譲吉を支える妻に成りきった。
「譲吉夫婦と同じく私も国際結婚ですが(夫はイラストレーターの松下進氏)、結婚当初はお互い分からないことだらけで、ぶつかったことも。でもキャロラインはどんな状態の中でもペイシェント(忍耐強い)で芯の強い女性だったんじゃないかなと、想像しながら演じました」
譲吉は薬だけでなく、黒部川の電力開発、アルミニウム工業の推進にも関わった。またニューヨークに日本倶楽部を創設し、ワシントンに尾崎行雄東京市長が桜を寄贈した際、尽力した。
譲吉がアメリカに移住したのは30代の時。アドレナリンの結晶化に成功したのは46歳だった。この春、ナオミさんも47歳に。昨年は30代から転向したジャズで、「第3回澤村美司子音楽賞 特別奨励賞」を受賞するなど、積み重ねてきたものが開花した年だった。
「モデルからバンドの世界に慣れるまでは大変でした。この世界は合わないのかな、と落ち込んでストレスですごく痩せたり。でも、こんなことで負けていられないわ、と頑張って」
子どもの頃の夢はカウンセラー。
「私の歌や演技でたくさんの人の苦しみや悩みを軽くしたい。届けたい気持ちは一緒ですね」 |
(C)2010「さくら、さくら」製作委員会 |
さくら、さくら—
サムライ科学者 高峰譲吉の生涯
監督:市川徹、出演:加藤雅也、ナオミ・グレース、国分佐智子ほか。133分。横浜ニューテアトル(TEL.045・261・2995)で上映中 |
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