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「絶望の中から希望を…」 俳優/キム・ユンジンさん |
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映画の中ではほとんどのシーンがノーメークだったが、実物は圧倒的な美のオーラのあるキムさん。ドルチェ&ガッパーナのドレスで |
刑務所内で結成した女声合唱団を映画化
女子刑務所内で在監者によって結成された合唱団の物語を描いた韓国映画「ハーモニー 心をつなぐ歌」(監督:カン・テギュ)が22日(土)から横浜ブルク13で公開される。実話をもとに製作され、韓国では300万人が泣いたといわれる同作。公開にともなって、主演を務めた俳優のキム・ユンジンさん(37)が来日。「絶望の中から希望を見出す彼女たちの姿を、ぜひご覧になってください」と語った。
キムさんは韓国映画「シュリ」やアメリカのテレビドラマ「LOST」で知られる国際派女優。アジア系には門戸の狭いハリウッドで活躍できる数少ない俳優の1人だ。
「ハーモニー 心をつなぐ歌」では暴力をふるった夫を殺した罪で服役中の女性を演じた。獄中出産した息子と刑務所で過ごす日々の中、合唱団を作ることを思い立つが、肝心の彼女はかなりの音痴(ち)という役柄だ。
「最初、わたしの役は天性の歌声を持っているという設定だったんですが、どう頑張ってもわたしにはその才能がないので変えてもらいました」と笑いながら説明する。これまで演じてきた役はおとなしい人柄が多かったが、今回はコミカルなシーンが多く、新境地を開いた。
元プロレスラー、2児の母である元クラブ歌手など様々な在監者が段々に心を開き、練習を繰り返すうちに歌声がひとつになっていく様子に胸を打たれる。長い刑期や苦い過去、家族とのつらい別れ―。「絶望の中から希望を見出す、これがこの映画のメッセージです」とキムさんは話す。
撮影前に3カ月の歌の練習期間を共に過ごしたため、「共演者とは気心も知れてとても楽しかった」と言う。
「ハリウッドでは1日の労働時間は12時間と決まっていますが、韓国映画は予算も少ないし、24時間撮影が続くこともあります。1人ではそんな過酷なスケジュールに耐えられないけれど、みんなが一緒だから頑張れるんです」と、真剣な面持ちで語る。
10歳の時に家族で移住したアメリカで、演技の楽しさに目覚めた。マンハッタンの名門芸術学校で学び、ブロードウェーなどで活動していたところを韓国のテレビスタッフからの強い誘いで祖国のテレビドラマに出演するようになった。現在は韓国とアメリカを行き来している。
「俳優は人生を表現する仕事。白黒がはっきり付かない所が魅力です。演技は力を入れるとだめで、自分を信じて力を抜いた時にうまくいきます。ゴルフと同じですね。でもわたしはゴルフは苦手なの」と茶目気たっぷりな笑顔を見せる。
アメリカで経験した苦労や悔しさは数えきれないと予想できるが、そういった風情は微じんも感じさせない、美しい人だった。
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「ハーモニー 心をつなぐ歌」
監督:カン・テギュ、出演:キム・ユンジン、ナ・ムニ。115分。
22日から横浜ブルク13(TEL.045・222・6222)ほかで上映。 |
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