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“みんながいるから歌える” ジャズシンガー/綾戸智恵さん |
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「お客さんがいるから歌えるんです」と話す綾戸さん |
「介護、本当はしんどいわ」
ジャズシンガーの綾戸智恵さん(52)が、10月6日(水)に東京都・八王子でコンサートを開催する。連日の演奏活動と母親の介護生活で「プライベートなんてない」忙しさ。しかし、「歌っているときにすべてを忘れられるのはお客さんの力。お客さんがいるから歌えるんです。1人では歌えません」と来場を呼び掛ける。
「歌うのは楽しくないですよ。きついです。だってお客さんに満足してもらって、(チケットが)安かったと思って帰ってもらわんと。でももし楽しそうに見えるんでしたら、成功ですわ」と謙そんする綾戸さん。
ことしでデビュー12年。すでにベテランの風格が漂い、7月に横須賀で開催された「ヨコスカ ジャズ ドリームス2010」では「宮間利之とニューハード」とともにソウルフルなステージを作り上げ、大喝さいを浴びた。しかし、綾戸さんにも50代ならではの悩みもある。大きなものは母親の介護だ。
24時間体制で介護 プライベートなし
綾戸さんはことしの春に、体調不良で倒れた。演奏会で日本中を飛び回りながらの介護で、疲れがたまったのだ。介護は24時間体制で、「プライベートな時間はない」という。家にいる時は、トイレに入っていてもちょっとした物音に「倒れたのでは?」と敏感になる、と話す。
「わたしはスーパーマンとかすごい元気に思われるんですけど、落ち込むときも人並みやし、笑うのも人並みです。ただねえ、その差がぴんぴんぴんぴん、となるタイプです。悲しなるのも楽しなるのも急激に来るんでびっくりする人が多いんですけど、ふつうの人間です」と話す。テレビで見せる顔がすべてではない。
「『(綾戸さんは)介護を楽しんでる』、という人がいるねんけど、『あほな』、って言いたい(笑)。しんどいわ! でもしゃあない、ここまで来たら後にひけませんもん。終われるものなら終わりたいけど、泣いてられへん」
歌っているときは すべてを忘れる
そんな毎日でも、コンサート会場に行けばスイッチが入るという。一番難しいのは、「歌っている時にすべてを忘れること」。しかし、ステージに上がればできる。
「それはお客さんやスタッフのおかげ。1人やったらやめてるやろね。お客さんがいるから歌えるんです。だから、たくさんの方に来てほしいです」 |
綾戸智恵コンサート2010・2011~今から始まる出会い、そして、今、歌いたい歌~
10月6日(水)午後7時、八王子市芸術文化会館いちょうホール(JR八王子駅徒歩13分)で。全席指定7000円。問い合わせ・予約はTEL.0570・00・3337 |
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