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  横浜・川崎版 平成19年4月号  
70歳7ヶ月でエベレスト登頂世界記録を更新  鎌倉市/荒山孝郎さん

荒山さんが思う山の魅力とは?「まかり間違うと命を失うような場に身を置くと、生き物として自分は生きているんだぞ、という感じを味わえるんです。これが魅力でしょうか」と考えながら話す
 
"継続は力なり"を実感
 70歳7カ月でエベレスト(8848メートル)登頂に成功した鎌倉市の荒山孝郎さん(71)。これまでプロスキーヤーの三浦雄一郎さんが保持していた世界記録を3日更新した。63歳の時に初めて意識したエベレスト登頂。「一つ一つを積み重ねていくと、初めは思いもしなかった高い目標が達成できる。まさに継続は力なり、と実感しています」と話す。

 荒山さんに初めて会った人の多くは、一瞬「この人がエベレストに登ったのだろうか?」と思うのではないだろうか。一般に「山男」と称されるような印象が荒山さんにはまるでないからだ。体型は普通で、荒々しい雰囲気も皆無である。「自分でも体力が人並みはずれてあるとは思わないですね」と話す。エベレスト登頂のおごりも自慢もない。

 登山との出合いは、小学生の時に疎開していた茨城県で筑波山に登った時。その後中学校で富士山にも登り、がぜん登山に燃えた荒山さんは高校入学後、早速ワンダーフォーゲル部に入部する。

 しかし、合宿の前日に盲腸になって参加できず、ほどなく足は遠のいてしまう。大学でも今度こそと意気込んだものの、今度は1年休学するほどの病に倒れ、あえなく頓挫。結局登山を本格的に再開したのは社会人になってからとなった。

63歳でエベレストを意識
 40代になるとこれまでの登山に物足りなさを感じ、冬山に挑戦するようになる。「会社で責任の重くなるころでしたので、ストレス解消もあったのかもしれませんね」。東京都山岳連盟が主催する講習会に出席し、冬登山の技術を勉強した。参加者は20歳ほど年下の人が多かったが、勉強会終了後にそのメンバーで山岳会を結成し、彼らとともに冬山に挑戦した。「今思えばこの山岳会がよかったと思います。若い人には迷惑だったかもしれませんが(笑)、鍛えられました」。その後60代になるまで、暇さえあれば山へ足をのばしていた。海外の山も試した。山で日常を忘れた。

 エベレストを意識し始めたのは、1999年にヒマラヤ山脈のひとつ、チョ・オユー(標高8201メートル)の登頂に成功したころだという。その時、荒山さんは63歳だった。その後、東京の山岳ガイド社の公募登山隊でエベレストへ挑戦できることが分かり、70歳の記念に申し込んだ。費用はかなり掛かったが、「自分を試してみるのにこれくらいの出費はいいかな」と踏み切った。家族も理解してくれた。そして2006年4月、荒山さんは公募で集まった5人の仲間とともに現地に入る。

 
頂上はマイナス30度の世界
ストイックにならず
 現地に入ってもすぐに頂上は目指さない。高山病を防ぐために、1カ月ほどかけて高い所に登っては下りることを繰り返し、体を慣らす。「最初はやっぱり頭も痛いし、お腹も壊してしまうんです。こんなんじゃ無理かな、と思ったこともありましたが、ストイックになりすぎるとかえって登れないんだそうです。リラックスするようにしましたね」。肩に力を入れない持ち前の性格も助けになったようだ。登山はどうしても天候などの運に非常に左右される。事実、登山隊で 1番若くて体力のあった人が体調不良で登頂することができなかった。

 そして5月17日、一行は頂上を目指す。酸素を2回吸って一歩進むというペースで、11時間かけてついに頂上に到達。しかし、不思議とまったく感激しなかったという。「高ぶった気持ちはなく、やっと着いたのか、と。世界の上にいるんだな、と思いました」。ベースキャンプ地に戻り、そこから見る山の頂を見てようやくじわじわと静かな感慨がわいてきたそうだ。

競争意識は皆無 記録は「たまたま」
 ベースキャンプには衛星で知らせを聞いた三浦雄一郎さんから祝福のメールが届いていた。「でも記録を抜こうなんて意識していなかったですよ。出発日の関係でこうなっただけで」と笑う荒山さん。登山はスポーツの一種にくくられることもあるが、競争することにはまるで興味がない、ときっぱり。記録のためにもう1度エベレストに挑戦するつもりもないという。「それより、まだ登っていない山に挑戦したいですね」

 現在は大手鉄鋼メーカー退職後に自ら興した会社の仕事にいそしんでいる。ジムには行かず、自宅周辺を水入りのタンクを背負って歩くなどして体を鍛えている。「わたしにとって登山は遊びのひとつ。けれども、一つ一つのことを積み重ねていくといつの間にか高い目標が達成できました。運もありましたが、まさに継続は力なり、だと思います」

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