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「困っているママ助けたい!」 子育て支援NPO法人「たまり場ぽぽ」代表理事・早川愛さん |
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早川愛さん |
ひたちなか市の「NPO法人たまり場ぽぽ」は、子育てサロンを中心に、ホームスタート(家庭訪問型子育て支援)、イベント、講座、相談事業など、さまざまな子育て支援活動を行っている。モットーは、「ママにとことん寄り添う」。「『たまり場ぽぽ』は、ママたちのたまり場、交流の場です。私たちは“ママの味方”です。不安なときに少し勇気を出して連絡してみてください」と代表理事の早川愛さん(48)は呼び掛ける。
早川さんが中学生のとき、児童養護施設から登校している生徒がいた。母親からは、「両親を亡くした子とか虐待されている子などが児童養護施設に入所している」と聞かされたという。「『虐待』という言葉を聞いたときはショッキングでした。そういう子どもたちが、愛情を感じて生きていけるように何かできたらいいなと思うようになりました」
産後鬱を経験
結婚後、ひたちなか市に移り住んだ早川さんは2006年、出産した。しかし、さまざまな事情で夫、実母、義母などの助けを得ることが難しかったという。「産後鬱(うつ)になり、やせ細りました。夜中に子どもが泣きやまず、放り投げようと思ったこともあります。実際には放り投げなかったけれど、『虐待』ってこうやって起きるのかもしれない。そんな母親たちをサポートしないと子どもは守れないと思いました」
15年7月、早川さんは子育て世代の母親たちの交流の場として、公園でピクニックをしようとSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で呼び掛け、任意団体「ピクニックぽぽ」を立ち上げた。「『誰か手伝ってくれないかな』と言うと、2人のママ友が手を貸してくれました」
ちょうど、ひたちなか市が子育て支援に力を入れようという時だった。早川さんたちは、ひたちなか市や水戸市主催の講座などに参加し、子育て支援に関わっている人たちに出会った。「みなさん、私の〝何かやりたい〟という気持ちを理解してくださり、助けてくれました」。そして、助成金を得て、同年9月に月2回、コミュニティーセンターで子育てサロンを始めた。「決まったプログラムはなくママたちが集まっておしゃべりする場です」。それもあって、名称を「たまり場ぽぽ」と変更した。
上:子育てサロン
下:プレイパークひたちなか
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孤独な育児に救いを
早川さんは子育てサロンに来ることができない母親たちのことが気になっていた。NPO法人にすれば、さらに補助金を受けられるという情報を得て、16年8月に「NPO法人たまり場ぽぽ」を設立。さらに同年12月、自由な発想で遊べる外遊びの会「プレイパークひたちなか」を発足するとともに、17年3月には「たまり場ぽぽ」の事務所を開所し、子育てサロンは週2回行えるようになった。また同年7月、ホームスタートを始め、8月には子ども食堂も開始した。「ホームスタートでは、ボランティアスタッフがおうちに訪問しお話したり、一緒に家事育児をして過ごします」
そして20年10月に現在の事務所に移転し、子育て支援センターとして週4回ほど活動している。昨年10月にはイベント「ぽかぽかfestival」をインターネット動画共有サイト「ユーチューブ」で生配信した。「たまり場ぽぽ」の年間利用者は延べ3000人近い。ほとんどの利用者はひたちなか市在住。雇用契約を結んでいるスタッフは16人で、広報担当の有償ボランティアは5人、ホームスタートなどのボランティアは約40人だ。「みんなで子どもを育てていく社会にしようという私の思いにスタッフたちが応え、ついてきてくれています」
早川さんは、目を輝かす。「本当に困っている人に支援が届いているのか。社会の問題を自分のこととして、文句をいうだけではなく動いていきたいです」 |
ホームスタート・ひたちなか講演会・説明会を4月に開催
4月15日(金)午前10時、ふぁみりこらぼ(JR勝田駅徒歩10分)で。
対象はひたちなか市在住で訪問ボランティアに興味のある人、および県内在住でホームスタートに興味のある人。申し込みは4月8日(金)午後3時まで。
参加無料。先着30人。問い合わせは「たまり場ぽぽ」Tel.080・4350・4150 |
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