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  茨城版 令和2年11月号  
「生活全てが芸術」  北茨城市の“生活芸術家” 石渡のりお・ちふみさん夫妻

石渡のりお・ちふみさん夫妻(檻之汰鷲)。後ろは「ARIGATEE」。「木が生えていて大地があり自然が豊か、それが目の前にある。生きるための必要なものがそろっています」
古民家再生とアートで地域おこし
 岡倉天心ゆかりの北茨城市は、「芸術によるまちづくり」を目指している。その担い手として同市は移住を前提に募集した、アーティストなどからなる「地域おこし協力隊」に活動を委嘱。“生活芸術家”の石渡のりおさん(46)は、同隊員として妻のちふみさん(44)と愛知県から同市に移住。築150年の古民家を自ら改修した「ギャラリー&アトリエ『ARIGATEE』(ありがてえ)」は、市が所有し夫妻が管理している。夫妻のユニット名は、のりおさんの名前を逆さ読みにし、“おりの中のように閉じた社会から芸術の力で自由に大空を羽ばたくワシになる”との意味を込めた「檻之汰鷲(おりのたわし)」。「自分たちで古民家を改修することは芸術」と話すのりおさん。「水を手に入れる、火をおこすなど生活をつくることは、人類が発達するために必要。このような生活する行為の中に芸術があります。生活全てが芸術です」


「ARIGATEE」屋内のギャラリーには、夫妻のペインティングや紙で作ったオブジェなどの作品が展示されている
 2002年、のりおさんは交通事故で腰の骨を折る重傷を負い、「このまま動けなくなったらどうしよう。一体自分は何をしたいのだろう」と己を見つめ直すようになった。「小説を書いたり絵を描いたり、やりたいことをやった方がいいと思い始めました」

 病院から退院後も働けない体だったのりおさんを、当時交際していたちふみさんが自宅に住まわせ、世話をしたことをきっかけに翌年結婚。それを境に夫婦そろってアート活動を始めるようになった。「夫は音楽関係で夜型の仕事。私は0Lだったので、ほぼ会う時間がありませんでした。同じ趣味を持つことでコミュニケーションがとれると思い絵を始めました」とちふみさん。

 さらなる転機は11年。東日本大震災が発生。のりおさんは、もどかしさと生活に疑問を感じた。13年、夫妻は仕事を辞め、前々から夢だった海外への長期旅行に出発する。世界の人たちがどのような生活をしているか知ろうと、10年近く共働きでためた資金でスペイン、イタリア、ザンビア、モロッコ、エジプトを訪れた。それぞれ2カ月ほど、各国のアーティスト・イン・レジデンス(アーティストが滞在し創作活動を行える場所、もしくは支援制度)で滞在。そこで過酷な状況にありながらも強く生きている世界の人々に衝撃を受けたと語る。

北茨城市に“桃源郷”創生
 ザンビアに滞在していたとき、「お前は野菜も育てていないし家も造れないしどうやって生きているのか? ザンビアだったらお前は1カ月で死ぬよ」と言われ、「本当に生きるとか生活することを日本でやるとしたら何ができるのだろうと考えるようになりました」。

 帰国し最初に思ったことは、生活費がかかり過ぎるということ。「生活費を少なくすれば労働時間が減り、もっと好きなことができる。空き家を探して住めば家賃を下げられると思いました」。そこで夫妻は、愛知県の空き家を見つけ改修し居住。そこへ、知人から北茨城市で芸術家を募集しているという情報がもたらされた。

 17年、のりおさんは同市の地域おこし協力隊として活動を開始。「古民家を何かに使えませんか」と市職員から相談された夫妻は古民家を改修、ギャラリー&アトリエ「ARIGATEE」として、18年に開催された地域おこし協力隊主催の「桃源郷芸術祭」に合わせオープンさせた。名前は感謝の意味と、古民家が“有賀邸”だったことに由来する。

 移住当初、夫妻は市の用意した住居に住んでいたが、「ARIGATEE」付近の廃虚を片付け始めたところ、住めるかもしれないと物件の所有者の同意を得て自宅に改修。「住みながら修理して住む環境を作り、タンクに水をくんできて暮らしました。秋から冬はまきストーブで火をおこして調理しています」とちふみさん。

 すると同所の所有者が周辺に桜50本を植え、石渡夫妻は地域おこしの一環としてサポートすることに。それをきっかけに市や周辺住民も支援するようになった。耕作放棄地や休耕田を活用して景観のよい「“桃源郷”をつくろう」と意気込んでいるという。今年は住民たちが草刈りをして、さらに梅を50本、桜を150本植え、管理もしている。「田舎で暮らす人たちは芸術家です。畑を耕して野菜の採り方も知っているし、自然を利用して、どう“便利”を生み出せるかという知恵も持っています。まさに生活芸術です」

 のりおさんは、同協力隊の任期を終え、今年4月からは、市の集落支援員として活動。「桜を育て咲くまで見届けたいですね。炭窯の再生や山道を造ってハイキングコースを整備することも考えています」と目を輝かす。

 夫妻は「生きるための芸術」というタイトルで書籍も発行。

 ARIGATEE Tel.0293・24・5231

著書「生きるための芸術」シリーズ
「生きるための芸術 40歳を前に退職。夫婦、アートで生きていけるか」
檻之汰鷲著 (メディア・パル・1320円)

「生きるための芸術2 漂流夫婦、空き家暮らしで野生に帰る。」
檻之汰鷲著 (メディア・パル・1980円)

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